リスト ロ短調ソナタ
ロ短調ソナタ、あるいはソナタロ短調と記される。
うめくような不気味な序奏に始まり、飛び出すような突然始まる力強いアレグロエネルジーコの強烈な主題が始まる。そして慌ただしい「アジタート」の嵐が始まり、
激しい部分が続く。
一旦静かになるがまたピアノが技巧的な展開を見せて華々しくリストらしい技巧を散りばめていく。
散々いじくられた主題は、また沈黙の闇に入っていく。
そして最初の序奏に戻っていく手法が見事としかいいようがない。
そして調は変わりながらも、アレグロエネルジーコが再び戻ってくる。
今度は荒々しいフーガの手法となり、ピアノがまくしたてる超絶的な技巧を見せつけていく。そして更なる荒れ狂う音楽となり、ストレッタで更に追い込んでいく忙しい情熱的な雰囲気となり、ますます激しさを増して勢いをつけていく。
最終的にはプレスティッシモの頂点を極めて雄大な轟音を立てて、ピアノは豪快な音をトレモロで轟かせる。
しかしいつしかピアノは息切れし、最後の終盤へ行き着いた頃には
最初の激しさはすっかり衰え、あれだけ激しく荒れ狂った音楽も
やがて消えるように終焉を迎える。
最後の最後コーダに、
アレグロエネルジーコの形が弱々しく力なく回想再現が現れるが、
力はすでに失われており、やがては力尽きる。
わずかに聞こえるロ音の音を打ち鳴らして終結を迎える。
これでもかといわんばかりのまくしたてるようなピアノの超絶技巧を見せつけるようにして繰り広げられるリストの音のドラマは、聞く人の心を捉えて離さない強烈な輝きを持った大作である。
リストのピアノ音楽の頂点ピアノの響きを極めた名作のひとつと知られているが
演奏に30分を要する大曲であり、リストの中でも極めて演奏が難しいとされる
超難曲として語り継がれる名作。
単一楽章のスタイルとされているが、何部何部とおおまかに部分わけされており、おおらかにみるとあきらかにソナタの形式を持つとされるが、しばしば、
単一楽章のその強烈な形式の強引さはいまなお議論を呼ぶ。
ソナタとして見ることもできるが、形式はかなり自由で、幻想曲に近い。