ほらふき和尚 | ウルフオルフェノクが行く!

ウルフオルフェノクが行く!

春になりましたね。

山口県



昔ある小さな村にほらをふくのが好きな和尚さんがおりました。

和尚さんはあるときは千匹の虎と戦い、虎をこらしめたという話や、

鬼と大食い競争をして勝った話などを自慢しましたが

それはもちろんすべて「ほらばなし」。

村人も呆れてしまい小坊主はすっかり愉快になりその様子を笑ってしまう始末でした


いつも和尚のほらふきになると誰もいなくなり
真剣に話を聞くものはいませんでした。

ある時、和尚さんはまたいつもの悪い癖が出て、ほらを思いつき、
寺の前にある池からいついつに龍が立ち昇るという
嘘を書いた札を作り池の前に立てました。




その池には以前から龍が住むといわれてはいたのですが
本当にその姿を見た人はいませんでした。

5月29にちの丑の刻、この池から龍が天に昇るであろう。

こうかかれた看板は実は和尚さんのいつものほらでした。

和尚さんの狙いどおりたちまち噂になり評判となり

時刻前には黒山の人だかりとなり、予想外の反響に和尚さんの笑いは止まりません。

しかし不思議な事が起こりました。




先ほどまで月が出ているほど天気が良かったのに急に暗くなりました

風が出て雨が降り嵐になりました。


池の水は白波立ち、嵐のように荒れ狂います。

「あれはなんじゃ!」

ひとりの村人が叫びました。



激しい嵐の中雷の稲妻に映った龍神様が姿を現しました。

龍神様は、竜巻に乗りながら、天に向かって登っていく姿を全員見たのです。


池の中央から本当に龍が現れ空高く立ち昇り消えていきました。


そして嵐が去ってあたりはまた何事もなかったかのように、月が出て
元のように鎮まりかえりました。

しばし一同全員はあまりの出来事に呆然と天を見上げてぽかんと口をあけたまま立ち尽くすのみでした。

いちばん、驚いたのは和尚さんでした。

そしてまた癖が出ました
「この札を立てたのはわしじゃ!」


村人は

「あーあ・・またいいよるわ」


「あーまたはじまったほらが。」


と呆れてひとりまたひとりといなくなるのです。


龍は本当に天に昇っていきましたが
和尚は、この札を書いたのはわしなんだと皆に説明しますが


誰一人信じる者はなく、和尚はさらに信用を失ってしまいました。