埼玉県
むかし、むかしの埼玉のある村のはずれに、
杉の木の皮で屋根の古い一軒屋がありました
その家には、おじいさんとおばあさんが二人きりで住んでいました
ある日のこと、山から腹を空かせた狼が一匹下りてきました
狼は川で洗濯しているおばあさんを見ると食べたくてしかたがありません。
狼はここのところ、飢えを水だけでしのいでいたのです
狼は、おばあさんを食べようと畑まで後をつけるのですが、
近くにはいつも鎌を持ったおじいさんがでてきたので、
これはやばいと思い怖がって近づけないのでした。
狼は二人に先回りして家に戻り、家の縁の下で様子をうかがうことにしたのでした。
「ここまで来くて諦めるわけにはいかない。ここでしばらく様子を見よう。」
じいさんばあさんが、一雨きたので慌てていえに駆け込むようにして帰ってきました。
家の周りに狼の足跡がありました。
これを見たおじいさんは、「大変だ狼が家の周りをうろついているよ。」
とおばあさんに言いました
あばあさんは
「こんな雲行きの日には“むりどん”が来そうだ。狼よりもむりどんがこええよ」
むりどんは狼よりもおっかないと言うので軒下に隠れた狼は震え上がりました。
「俺より恐ろしい獣なんていたかなあ?」
としばらく狼は考えましたが、
「むりどん」という名の自分より怖い獣なんて想像つかないのでした
「むりどんは戸締りをしても、どこからでも入って来るからの~。」
「そうじゃな~」
これを聞いた狼は
むりどんとは化け物の類に違いないと思い本気で怖くなったのでした。
「いやまてよ・・・。もしむりどんが来なければ二人が寝静まった後、俺が2人とも食べてしまうことが出来るわい。ここまできて諦めてなるものか。もうすこし様子を見よう。」
怖いのを必死に我慢して狼はもう少し軒下で様子を見ることにしたのでした
そうこうしている内に、
いよいよ雨は激しくなり、雷が鳴り出しました。。
家の中では「むりどんが来た!!」と言って大騒ぎになりました。
「き、きた!」
それを聞いて勘違いしてびびったのは狼でした。(笑)
おじいさんとおばあさんは慌てていたので水がめを倒してしまい、
水が縁の下にいた狼にかかりました。
「ぎゃあ~むりどんに、やられたあ~」
すると狼はむりどんに襲われたと勘違いして、
大慌てで縁の下を飛び出し、
腹を空かせたまま山に転がるように命からがら、
帰っていってしまたのでした。
家の中では、大小さまざまなお茶碗やらを並べて、
雨水がぴちゃぴちゃならしておりました。
もうお分かりですね。
「むりどん」とは。
この地方で「雨漏り」をさす言葉だったのです。
おばあさんは、
「おじいさん、雨が上がったら、むりどんが来んように屋根を修理しておいてくださいね」と息をきらしたおばあさんはおじいさんに頼むのでした。
翌日。
いい天気になったので、屋根の修繕をする二人の姿がありました。。。