富山県
ある村のお婆さんは、ちょっと変わっていました。
仏様を拝む代わりに大きな怖い姿鬼の掛け軸に向かって拝むという変わった風習があり、子供達からからかわれていました。
こんな元気なばあさまでも、年には勝てん。
ばあさんはふとしたやまいがきっかけであっけなく召されてしまったのでした。
ところで・・・・・。
地獄に落とされたばあさまは地獄の道で鬼たちに出会いました。
鬼たちは「あの祈ってくれたばあさまじゃないか」と大喜び。
閻魔さまのところまで案内しました。
恐ろしい閻魔庁では、亡者を極楽か地獄かに行かせるための
裁く恐ろしい場所ですが、
ばあさまは驚くばかりか平然としています。
閻魔様にもばあさまの悪評は届いており、
「お前は仏の代わりに鬼ばかり拝んでいたな」
とたいそう閻魔様をお怒りにされました。
やはり地獄に落とされたばあさま。
まずはかまど地獄に落とされます。
しかし鬼たちは「ばあ様安心せえ。ばあ様はこっちじゃ」
鬼たちが指を差す方には小さな釜があり、程好いお湯が沸いていました。
おばあさんは大喜びでお風呂に入り、あまりに気持ちが良かったので鼻歌を歌い始めます。
歌を聴いた閻魔大王は、驚いて呆れました。
今度は舌を抜く刑に行くおばあさん。
閻魔様はますますお怒りになります。
「まったくとんでもないばあさまじゃ」と。
しかし、また鬼が助けてくれます。
ばあさんがいてててててと悲鳴を上げているのを聞いて、閻魔さまは
「うひひひひ苦しんでる苦しんでる。」と大喜び。
ところがでできたおばあさんは大喜び。
「あんれま」という顔の閻魔様は、どうしたのかと聞くと
「オラ、舌を抜くはずが、虫歯を抜いもらったでよ~長い間苦しんでいたのが取れたので感謝しますで。」と答えたので閻魔様はあんぐりぽかーん。
鬼が助けてくれたのでした。
今度は針の山。
亡者たちは悲鳴を上げながら飛び上がっている恐ろしい光景が見えます。
ばあさんが針に足に触れただけでチクっとして地が飛び出ました。
「わしゃこんなとこ嫌じゃ!」
と言いますが鬼たちがまた助けてくれます。
「ばあさまこれを履くとええ。」
鬼たちが用意したのは鉄下駄でした。
これなららくちんらくちん。
ピクニック気分でどんどん針の山を登っていくおばあさんは痛い思いするのもなく楽しい気分で登っていくのでした。
すると頂上ではすばらしい光景が待っていました。
頂上からの景色は遠くに光り輝く極楽浄土が見える絶景でした。
感激したおばあさんは、
山を降りて閻魔大王に「針の山に住みたい」とお願いをします。
びっくりした閻魔様は目を回しぶっ倒れて泡を吹き気絶してしまいます。
「なんというばあ様じゃ。これでは地獄にいても意味は無い」
「極楽へ放り出せぇ!」
おばあさんを極楽に送ることにしました。
極楽に向かう階段の入り口では鬼たちが悲しそうに見送ります。
「鬼さまたちと離れるのは寂しいが、極楽で暮らすのもよかんべ?」
ばあさまは階段を登る前にこう、つぶやいたそうです。
おばあさんは鬼たちに感謝をし別れを告げると極楽の階段を上っていきました。