シューマン ピアノソナタ第1番(グランドソナタ)  Sonate、op11 | ウルフオルフェノクが行く!

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春になりましたね。


 
 
久しぶりのシューマンです。
 
かなり大規模なソナタで「グランドソナタ」(大ソナタ)
といわれるときがあるくらいですが、これは4楽章構成でスケールの大きさから
そう呼ばれることがあります。
 
普通ピアノソナタは三楽章構成です。
 
パッショナートな2番、大規模な3番「グランドソナタ」に比べてみると
 
スケールが大きいに関わらずすこし地味な印象を受けます。
 
この1番も情熱的で熱っぽいのが特徴です。
 
流れるようなフレーズ、力強いフレーズが印象的です。
 
 
シューマンのピアノ曲としては
大変演奏的にも難しい曲で高度の理解力と技術を必要とする曲です。
 
シューマンの若いころのピアノ作品としては
 
集大成といえる傑作のひとつではないでしょうか。
 
 
■一楽章
 
Introduzioneは「序奏」という意味で、
悲愴チックなかんじの悲痛な歌が歌われます。
情熱的な序奏で、比較的長い序奏です。
 
Unpoco adagio。おおらかな感じで歌われる、熱っぽい旋律です。
 
序奏つきの長大なソナタ形式で、コーダを含みます。
 
これが高潮して、クライマックスに達すると、
Allegro vivaceの激しい動きの部分へと移行。
この主題の調である嬰へ短調が、
ここではさまざまに変化していきます。
ピアノ曲では珍しい「変イ短調」など。
この序奏の最後の音は、意図的に独特のペダル効果を狙ったもの。
ペダルはフォルテシモからどこで踏み変えたかわからないように踏みかえて
ピアニッシモに音を変化させるのですが、
楽譜には書いて入りませんがsubit(直ちに)PPの効果を狙ったものです。
ほとんど音はださずに、鍵盤を抑え効果を出します。
特殊なペダル効果です。
 
 
かなりの手のこんだ複雑な手法がシューマンらしく技術的にも大変難しいですが、
 
 
弾けたときの効果はかなりのものです。
 
荒々しさと熱ぽさを残しつつくすぶりながら、
一楽章は消えていくように終結します。
 
嬰へ短調というと、ショパンのポロネーズ5番を思い出しますね。
 
 
■二楽章
 
「アリア」と書かれたしっとりとした静かな楽章ですが
この楽章にも静かな情熱をたたえています。
情熱を帯びた旋律が静かに響きます。
シューマンの3つのソナタ含め、ソナタ中もっとも弾き易く優しい曲ですが、
静かに弾くのが意外と難しい曲です。
 
 
 
 
■三楽章
 
「間奏曲」でスケルツォの激しい性格をとります。
 
激しく動き回るきまぐれな曲ですが、
ロマン派のスケルツォらしく激しく荒々しいフレーズやパッセージが目を引き、
途中大掛かりなカデンツァを含んでいるので技術的に難しい曲です。
比較的大規模な曲で、これも技術的に難しく書かれています。
 
Allegrissimo「出来る限り早く」という指示もシューマンらしさがあります。
 
~ssimoは、「最も」みたいな意味でその表現の最上級を意味します。
例、スタッカーティシモ、フォルティシモ、ピアニシモ
 
 
■四楽章
 
「フィナーレ」、
Allegro Unpoco maestoso。
 
 
和音の連打で力強く始まる活発な楽章。
 
めまぐるしく曲調も変化していく非常にダイナミックな楽章です。
 
規模の大きな展開部と情熱なおおがかりなコーダをもつ大規模なフィナーレ。
 
これもまとめるのが大変至難な曲です。
大きな手が必要です。
 
コーダの手前はcon fuocoやcon passione
などの熱っぽい指示が目を引く。
 
最後は熱っぽさをむんむんだしながらぐんぐんテンポをあげ
Piu Allegroとなり、
さらにテンポをあげつつ、一たん、静かになりますが、
情熱的なcrescendoで湧き上がるように盛り上がりコーダへ導き
情熱的なオクターヴパッセージを通りコーダへと突入します。
熱を帯びながらストレッタで情熱的に
オクターブ和音で高らかに響かせて終ります。
 
シューマンの生命が火と燃え上がる、若さ全開の、大変情熱的なフィナーレです。