ニューヨークでマスクをして歩いていたアジア人女性が襲われる事件が起きたニュースを車中のニュースで聞いた。
連日のニュースで世界中がウィルスに関して敏感になっているこの時期、やはり起きたかと思った人は多いはず。
マスク文化の無い欧米人からしてみれば、マスク姿そのものが見慣れない。
故にマスクをするのは菌を持っているからだと勘違いしたのではないか。

うちの夫のように日本に長く住んでいた欧米人は、とにもかくにも日本人はマスクをする人種である・・みたいなイメージが固定されていればアジア人のマスク姿は感染予防か花粉症かと想像できるが、そうでない人にしてみれば怖いイメージになるのかも知れない。
欧米在住の日本人の方がコメントにも書かれていたが、欧米でマスクをする勇気がないというのはよく分かる。

異文化や異教徒、外国人に対し、人は少なからず異物と見てしまう気持ちというはあると思う。
それは自分が外国人という立場で暮らす今、特にそう感じる。
悪気ではなく無知なだけであっても、違和感を感じてしまうという感情は防衛反応にも似たものであるのかも知れないと時に思う。

昔、こんな体験をした。
私は当時妊娠7か月でアムステルダムから日本行きの便に乗っており、しかも1人旅。
3席一列の席の一番右端に私が座った。
真ん中は空いており、後からイスラム教徒であるとすぐにその見た目で分かる男性が左端に座った。
男性は白いやたらと大きな布バッグを膝にしっかり抱え込んでいた。
キャビンアテンダントが「その荷物は上の収納に入れて」と言ったが男性は拒否。
キャビンアテンダントが「駄目です。そのままでは飛び立てない」と言ったが男性は拒否。
キャビンクルー数人が来て男性に説得、押し問答の末、シートベルト着用サインが消えたらカバンを膝に抱えて良いという話に落ち着いた。

が・・私は怖かった。
そのやたらに大事に抱えている布バッグの中身が何なのかが怖った。
男性の見た目から勝手に私が抱いたイメージのせいであったが、男性が肌身離さず抱えている布バッグが気になって仕方がなかった。

しかし、機内食の時間になり私のお腹が出ているせいで折りたたみ式のテーブルが水平に倒せない事が判明するや否や、男性は真ん中の席のテーブルを出してくれ、私が食べやすいように向きを変えてくれたり、腹が出ているせいでやたらにズリ落ちるブランケットを何度も何度も拾ってはお腹にかけてくれたりと、実に紳士であった。
飛行中も布バッグは常に足元に置いてあったが、無事に日本に着いた時は心から申し訳ないと思うと共に、男性に御礼の言葉を述べた。
見慣れない格好が差別を生む、まさに私がそうしてしまった1人である。

娘のクラスメイトのアイラちゃんが私に聞いて来た。
「チャイニーズ(中国人)はコウモリを食べているからコロナウィルスに感染するとおばあちゃんが言ってたけど本当?」と。
私は「さあ・・コウモリを食べる人も一部にはいるかも知れないけど、コウモリが原因かどうかは知らんわ」と答えた。
人が得ている情報は色々で、嘘も誠もごちゃ混ぜになっている。

ラジオ放送の合間に数日前から「もし2週間以内に中国から戻って来た人は〇〇へ連絡して下さい。予防の為に手洗いをするように」と流れ始めた。
私はそれを聞きながら、やはり「うがい」は予防策に入っていないのだと思った。
子供の頃から学校で「手洗い&うがい」と呪文のように教えられ、あちこちに張り紙があったのを記憶している。
親からも「手洗え!」「うがいせー!」と言われて育った。

そう、欧米文化の中にはこの「うがい」もない。
イギリスに来た頃、義母から「あなたナニそれ?」とよく聞かれたもんである。
今も我が子に実践させているが、義母は奇妙な顔でこちらを見る。
「うがい」マジックを信じているのは日本人だけなのだろうかと、欧米に暮らしているとそう思う。
が、結局私は「うがい」は身を守ると信じ、自分も子供にもやらせているが、夫は「うがい」を信じていない。

「うがい」が何故に習慣化されないのか・・
摩訶不思議である。
が、その前に自分の大便を流すことを習慣化して欲しいと願う私である。
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