隣の家の御主人を最近見ないな~と思っていたら、今日たまたま御主人とスーパーで出会った。
「ああ!久しぶり!!」などと話していたら、御主人から「98歳になる母が昨日亡くなってね」と聞かされた。
毎週日曜、カーライルから車で1時間離れたスコットランドのとある町まで母に会いに行っていた御主人は「後は葬儀だけやれば、僕の仕事は終了や」と言った。

御主人には15歳も歳の離れた兄がいる。
この兄がお母さんが認知症になり始めた頃、自分だけに遺産が来るよう書き換えさせた。
以後、御主人が週1で会いに行き、食事に連れ出し、買い出しに行き・・としてきたが、お母さんの持ち家などは全て兄に行くようになったままだと以前に聞いた事がある。
兄は会いに来た事も、クリスマスに自分の家にお母さんを誘った事もないという。
「割りが合わんけど、何もせんと金目のモンだけ貰いたい奴と違って、僕には母との思い出が残るから」そう御主人は言った。

それを聞きながら、どこも似たようなもんかと思う。
9月に日本から戻って以来、義母の犬を散歩させるのは夫の仕事となった。
毎日夜の7時半に帰宅する夫であるが、今はその前に義母宅に直行し、犬を散歩させている。
今週の火曜日まで義兄が泊りに来ていたが、義兄には犬の散歩をお願いしない義母、何故なのか私にも夫にも分からない。
言っても無駄なのか、気を使っているのか・・
「義兄さんが来てんのに、あんたが犬の散歩行かなあかんてか?」と聞くと「みたいやな」と夫は苦笑いした。

夫は父親を亡くした時、悔いなく見送れたから泣かなかった。
毎日、仕事帰りに病院に寄っていた夫であったが、私が臨月だった事と、毎日行ってるのだから今日ぐらい真っ直ぐ帰宅したい、そう思った。
しかし、病院の手前に来て「どうせ病院の前を通るのだから」とやはり立ち寄った。
個室に入院していた義父の見舞いは夜8時を過ぎても10時を過ぎていても許された。
義父は「待ってたんだよ~!!」と感動したという。
若い女性の看護師さんに入浴を手伝ってもらうのは気の毒で恥ずかしいから言い出せず、息子にやってもらおうと待っていたという。
夫は入浴を手伝い、髭を剃ってやり、鼻毛の処理と爪切りをし、夜10時半ごろに帰宅した。
翌日の午後3時過ぎ、義父は入院内容とは全く別の心筋梗塞で急死した。
棺桶に入った義父は綺麗だった。
それ以来、義母からどんなに面倒な用事を言われても、もし明日義母が逝ったとしても悔いが残らぬように送りたいという思いから、夫は義母から頼まれた用事を断らない。

夫の一番上の兄は時々「俺と一番下の弟(うちの夫)だけがお母さんの世話をしているのだから、遺産相続は真ん中の弟より多くもらわなければ割が合わん」と言う事がある。
それを聞きながら、ちゃんちゃらオカシイと笑ってしまう。

私は義母と血のつながりはない。
しかし思い出というよりも、義母と共に過ごした時間の中で義母から聞いた言葉の中には、当然カチンと来る事と共に強さや学びもその数百倍ある。
この人は夫を育てた人、だからこそ私の胸に響く言葉である。
このババア~!!!と心の中で叫びながら、私はこの人の傍に今日もいる。
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