義母の孤独にノックアウトを受けた2日前。
義父の墓場を車で横切る際、「どないしたらエエんやー!!義父ー!!」と叫んでみたが、答えは無い。
金曜日の朝、子供を学校に送った帰りに義母宅に寄ってみる事にした。
寝室のカーテンが閉まっていたら寝ている証、どうだろうか・・

車の速度を落として義母宅に近づいてみると寝室のカーテンが開いていた。
起きてはる!
勝手口を開けようとすると、煙草の煙がプカプカ見えた。
吸うとるな・・

私が声をかけると、体育館裏の不良のように慌ててタバコを足で消した。
「家の中ではタバコは吸ったことが無い」と言い張る義母は、私に見られたらマズいと思ったのだろうか。

義母は両手を震わせながらコーヒーを飲み始めた。
怒り口調で医者の文句を言い始め、1時間程義母の話を聞いてやると震えが止まった。
聞いて欲しい話が終ったのだろう、1時間半を過ぎた頃には笑顔を取り戻した。
「雨続きだから、洗濯物が乾かなくてあなたも大変ね」と義母が私に言った。

義母宅を出て車を運転しながらふと気が付いた。
何やろうか・・・このすがすがしい気持ち・・・そうや!!墓参りの後のようなスッキリ感や!!
そうか・・義母宅に行き、義母の話を聞いてやる事は、まるで義父の墓参りに行くのと同じなのかも知れないと、そう思った。

義父の好きだった物を墓に供えるのと同様、義母の好きな物を私が持参し2時間ほど話を聞いてやる。
それは墓の下で眠る義父からしてみても「僕のところに来るより、妻の方に行ったってくれへんか?」ときっとあの義父なら言うのではないだろうか、いや、私に訴えているのではないだろうか・・そんな気がした。

2人間、「あのババア!!」と疎ましく思ったが、義母を訪ねた後の爽快感と徳を積んだ感じが何だか不思議で、まるでそれはちょっとした悟りを開いたかのような気分にさえなるのである。

「墓参り気分で来ています」とは口が裂けても言えないが・・
人気ブログランキングへ