日本からイギリスに移住する時、ガスで調理する本格派のタコ焼き器は持ってきたのに、日本の食器は1つも持って来なかった。
最初の移住先が夫の両親が住む家だったこともあり、その必要性など考えてもいなかった。

子供が出来てからは、特に家庭内の料理は日本の家庭料理に拘って作っている。
それは成長するにつれ日本語を話さなくなっていく娘へ、せめてもの日本を伝えたい私の焦りなのだと思う。
そういう事もあり、日本の食器でご飯を食べたいと思い始めた。
日本に帰国する度、味噌汁のお椀などは買って帰るが、しかし割れ物なので心配なのと、それよりもイギリスで入手できない日本でのみ買えるものをギッチリ詰めて帰るため、なかなか今日まで和食器を揃える事が出来ないままに至る。

以前、和食器が無いという記事を書いたとき、ロンドン在住の邦人の方が、ロンドンには「陶器市」なるものがあり、定期的に安く買えるという事を教えてくれたが、しかし電車で往復6時間以上もかけ、和食器を買いに行く身でもない。

そんな中、先日とある量販店にほんの少し和食器が売っていたのを発見した。
思わず手に取り眺めた。
裏には作った人の名と「メイドインジャパン」の文字がある。

日本で食器を買う際、裏側を見て買った事など無いと自分で記憶しているが、「メイドインジャパン」と英語で書かれているのは、輸出専用に作られた和食器だからなのだろうか・・それとも、今の食器は日本で買っても「メイドインジャパン」と書かれてあったりするのは、「メイドインチャイナ」と区別するためなのだろうか・・
実際、この和食器の横に「東京」と書かれた食器が売っていたが、裏には「メイドインチャイナ」とあった。

どれくらい眺めていたのか分からないが、選ぶでもなく手に取って眺めたままの私は、そこに万引きGメンがいたならば、確実にマークされているに違いない怪しさで眺め、1人感動していた。
ああ・・・ここに高野豆腐の焚いたやつ入れて食べたら・・汁がジュワ―っと・・・と想像を張り巡らし、ここにワカメと筍の煮たのを入れ、上に山椒の葉を・・・ちきしょー!!!10年食うてへんやんけー!!
鱧の天ぷら・・モツ煮込み・・白子・・目を閉じ、私は日本人であった事に感謝するのみである。

ひとまず1セットを購入し、自分の中の満足感を満たす冬である。

人気ブログランキングへ