数日前の事。
午後3時前ごろだっただろうか。
家のドアを叩く音がしたため、玄関を開けた。

もう運転したら絶対にアカンであろうと推測される年齢のジイちゃんが、ピザを持って立っていた。
「ピザ、頼んだやろ?」と言う。
私は「頼んでへん」と答えた。
ジイちゃんは私に伝票を見せ「ほら、ここ。あんたの家の番号やで」と言う。

伝票は確かにうちの番号であるが、うちではない。
こんな時間に、しかも物凄く小さなピザを誰が頼んだのか。
とにかく、私は「違う」と言い、娘を迎えに行かねばならなかったので、そのまま家を出た。

娘を迎えに行って20分ほど家を空け、自宅前に車を付けると、さっきのジイちゃんがピザの箱を持ってウロウロ困った様子であった。
私は気の毒になり、「見つかりましたか?」と聞いた。
ジイちゃんは静かに首を振った。

隣の御主人の息子さんが、よくピザを頼んでいるのを見かけるため、まさかこんな時間に・・・と思いながらも御主人の家のドアを叩いてみた。
御主人も「うちやないわ・・」と言うも、もうかれこれ20分以上もピザ宅配に困っている事を知り、御主人はジイちゃんを連れて心当たりを探してくれた。

小さな村なので、住居そのものがちょっとしかなく、すぐに見つかるかと思っていたが、結局どの世帯も違った。
ジイちゃんは携帯でお店に電話を入れ、注文を聞いた人に怒っていた。
どうやら、注文を聞く人がいて、ジイちゃんは宅配専門のドライバーらしい。

ジイちゃんは「もうピザ、持って帰ってもしょうがないし、今から宅配しても時間がかかり過ぎてしまって料金をもらえないから、ピザどうぞ」と言い、ピザをくれた。
うちは晩御飯の用意がほぼほぼ出来ていたため、大家族の隣の御主人に貰ってもらった。

宅配用の車に乗りこんだジイちゃんを見送った後、しばらくしてうちは晩御飯開始。
その後、皿など洗っていると、再びドアを叩く音がした。
娘がドアの向こう側が見える窓を覗きこみ「「ピザやー!!」と言うた。
まだ来るかー!!冷

ドアを開けると、さっきのジイちゃんが再び登場。
「今度こそ頼んだか?」と聞いた。
100万回でも言うわ!!うちやない!!


結局、うちの突き当りの家だった・・・という事を、無事に宅配を終えたジイちゃんが教えに、わざわざ再び言いに来てくれた。
「無事にピザ、宅配できましたから」と満面の笑みを浮かべて。

この人が喜ぶのなら、私はそれを受け止めよう。
そんな肌寒い夏の1日。

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