バレエ教室で顔を合わせる、かなり面倒臭いタイプの母親がいる。
悪い人ではないが、言葉を選ばなければならず、迂闊に物が言えない。

先日、隣に座ったので、お稽古事について話していた。
この母親は、自身の長男と19歳差で娘を出産。
それであるから、最後に生まれたこの娘が可愛くて仕方がない。

可愛いから皆に見てもらいたい、可愛さを認められたい、そんな願いから、娘をバレエ教室、器械体操教室、演劇、歌、ダンス、口笛教室、サーカス芸教室、メイクレッスンに通わせている。
それぞれが違う場所であるから、相当に忙しい5歳児である。

子役のオーディションがあればどこにでも飛んで行き、モデルのオーディションがあればアメリカにも飛んで行く。
本人も「自分は誰よりも可愛いんだ」と信じ、非常に前向きに取り組んでいる。

この「自分は誰よりも可愛いんだ」と」いう育て方に異議はない。
がしかし、「自分は誰よりも出来るんだ」とも錯覚しているのが、まだ幼き5歳児であるから、バレエ教室の最後に、「今日の1番できた子」に贈られるシールがもらえないと、床にのたうち回って泣きまくる。
「シールがもらえないなら、もう来ない」と言い、その日にシールを貰った女の子には卑劣な態度と暴言を吐く。

昔、イギリスであった「美少女コンテスト」に熱を入れ過ぎた母親のニュースを思い出す。
家も売り、膨大な借金をしてまでも我が娘にナンバー1になる事を望んだ。
次こそは!次こそは!とお金をかけ過ぎ、破産してもなお、まだ目が覚めなかった母親の話である。

あの子、公園で遊ぶ日あんのやろか・・と、公園で遊ぶ娘を見ながら想うのである。

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