去年の末、夫の祖母が亡くなった。
資産家の娘だった祖母は、ほとんんどの財産を使い尽くして亡くなったのであるが、それでも遺言状に「孫達への財産分与」を書いてくれていたおかげで、ちょっとしたお金が夫と兄弟にも入って来る事になった。

さて、金が入ると分かった途端、夫の一番上の兄夫婦は自分の金では決して行かない旅行を計画。
行き先は、豪州のエアーズロックである。
嫁は豪州に生まれ育ったが、行ったことがないらしい。

夫の真ん中の兄夫婦は、今月末に嫁が受ける「胃を摘出して痩せる手術」に大半が使われてしまうらしい。
うちは屋根と壁の修理、ボロ車の買い替えで恐らく消えてしまうであろうと思われる。

さて一番上の兄嫁も次男嫁も共に豪州女なのであるが、この一番上の兄嫁が先日、義母にこんな事を話した。
「TVでオーストラリアの歴史をやっていた。私はオーストラリアで生まれ育ったのに、何一つ時代背景を知らず、特にアボリジニの人々達に何が行われたのかを何1つ知らずに見下し差別して生きて来た。今回の番組を見て、差別視していた自分の考えが変わった」と言った。

義母自信も、実はよくわかっていない。
私はオーストラリアの小学校で1年ほど働いていた事があり、歴史の時間に何度か立ち会ったこともあるし、エアーズロックに行った時に歴史博物館みたいな場所に行き、現地のアボリジニの人の話を聞いた事もあるため、アボリジニに関する事や時代背景は、ほんの少し知っているつもりである。

義母に簡単ではあるが、要点をまとめて説明した。
義母もようやく納得。
そこから、エアーズロックの話になった。

私は義母に「ところで、嫁はエアーズロックに何しに行くのか?」と聞いた。
義母は「登りたいらしい」と言った。
何も分かってへんやん・・・

仏教徒にとって仏や大仏が御神体なのと同じく、エアーズロックは彼らにとっての御神体そのものなのである。
そんな御神体に人が登れるようになったのは何故か・・英国人達が開拓し、そこを観光地として公開するにあたり、「御神体に登ってエエよ」と言えば人が集まる。
「どうか登らないで下さい」という懇願の意見も無視した経緯があるからである。

嫁はその番組を見て感動し、歴史と時代背景を深く理解したと言ったのに、そこは全く理解していない。
「登りたい」て・・・

勿論、登って良い事になっているのだから登って良い。
法を犯している事にはならないのであるから。

がしかし、義母が私の説明を聞いた後、「私は登りたくないわ。聖域として登らないでと言っている人達がいるのに、登ってはいけない」と言った。
おー、この人は理解した!
さすが、カトリック教徒はちょっと理解度が違う。

ならば嫁。
一体、その番組を見て、「エアーズロックに登ろう!!」となぜワクワク出来るのだろうか。
そんなわけで、使い道は色々なのである。

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