マジョルカ島最終日、泳ぐには寒いがタンクトップで十分暑い日であったため、娘を連れて砂浜に遊びに行った。
みやげ物屋で砂浜セットを買い、娘と城を作ったりしていたときの事。

向こうから水色ビキニをはいた中年のオッサンが、左手にギブスをはめて歩いて来た。
せっかくのホリデーやのに骨折しはったんやろか・・・気の毒に・・などと思い、ついつい見てしまった。

するとオッサンは私の横で止まり、「すいませんが、このアイスクリームの紙を破ってもらえませんか?」と聞いて来た。
「こんな手なもんで・・」と言う。

両手が使えないのに、ややこしい紙に包まれたアイスを買うたオッサン。
「良いですよ」と開けてあげた。

「せっかくのバカンスなのに、大変ですね」と聞いてみた。
オッサンは「そうやねん・・旅行の2週間前に骨折してもうてね・・・妻から非難され、自分も情けなくて・」と言った。

「奥様は?ビーチですか?」と聞いてみた。
オッサンは「いや、せっかくのバカンスやのに、僕の着替え、食事、飲み物の世話をさせられ、妻は相当機嫌が悪い。せめて日中は世話に追われたくないから、別行動させろって言われて、僕は毎日ここに来て、海を眺めたりしてるねん」と言った。
ムゴい・・ほんで切ない・・

御主人も骨折などしたくはなかったろうに・・・「ビールを開けてと頼んでも、物凄い形相で睨みながら開けてもらえる・・」ともオッサンは言った。

それでもオッサンのバカンスはまだ2週間もあるという事で、オッサンが気の毒に思えてしゃーない最終日であった。

オッサンはぽつりと言った。
「子供と一緒に旅行してた時が楽しかった・・」と。
オッサンを抱きしめたろかと思う一瞬であった。

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