うちの支店の一番偉いおっさんは、数ヶ月前にうちの会社に入ってきた。
原因は社内で不倫したあげく、自分の嫁と子供を捨ててしまったため、会社にいずらくなってしまったからである。

まだおっさんと嫁の仲が良かった頃は、うちのデパートにも2人で買い物に来ていた。
子供服は必ずうちの店で買っていたから、常連でもあったのである。

さてクリスマスイブの日。
私は忙しく働いていたのであるが、仲良しの友人が子供服売り場にいるので、売り場でちょっと話していた。

するとおっさんが愛人と子供を連れて、服を見に来たのである。
と、そこに嫁が偶然にも現れ、鉢合わせとなった。

嫁は「あら?自分の子供の顔は何ヶ月も見に来ないくせに、愛人の子供と過ごす時間はあるのね?あなた、自分の子供には責任がある事を忘れないでね!!」と叫び、売り場を去ろうとした。

すると、愛人の目の前で怒鳴られたおっさんは、「ちょっと待てー!!」と嫁の腕を掴み、「売り場でそんな事を・・・!!」と口論になった。
そこにたまたま通りかかった私の上司が、「ここは職場です。やるなら外でやって!」と怒鳴った。

おっさんは「お前の元には、絶対に帰らん!!」と言い捨て、愛人の手を引き、その場を去ろうとした。
その間に、嫁は愛人の前の旦那に電話をした。

おっさんと愛人&愛人の子供が外に出ると、愛人の前の旦那が待ち構えていた。
愛人の前の旦那と愛人は言い合いに。
おっさんと嫁も言い合いに。

喧嘩内容からして、どうやら愛人の子供は2週に1回、父親である前の旦那に会う事が義務付けられているらしかった。
しかしながら、愛人がそれを拒否し、前の旦那は子供に会いたいのに会えず、腹が立っていたようである。

こうして、デパートの前で大騒動となり、あげく愛人の前の旦那が、おっさんの首を絞めるという展開になり、警察登場。
パトカー3台が来て、見物人も集まり、私ら社員も集まり、仕事どころではなかったのであった。

職場のババア軍団は、「自業自得。オモロ話もエエとこや」と笑いながら、大騒動を見ながらタバコを一服。

「明日からセールが始まり、その準備を完璧にしろ」と、朝の朝礼でおっさんが言うたのに、おっさんがこんな状態だったので、誰もまともに仕事する者はおらず、結局セールの準備もままならないまま、クリスマスに入ったのである。

しかしながら、自分の上司が愛人騒動でモメ、しかも愛人の前の旦那に首を絞められているのを目の前で見るというのは、なかなか無い経験であると共に、あまりにも哀れでかつ、マヌケであった。

こんな私情を持ち込んでも、首や左遷にならない大らかな部分こそ、イギリスの誇るべき文化ではないだろうか・・
などと考えながら、私はセールの準備に戻ったのである。
おっさん、もう愛人連れて来んなー!!

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