旦那の担当する「特別学級」に通う、10歳の男の子がいる。
彼は、精神発達遅滞(知的障害や運動障害)を持つ。
話す時、ヨダレが出てしまう傾向にある。

彼は以前通っていた「特別養護学校」にて、教師と職員から虐待を受けていた。(と、本人は語ったが、職員は認めず。裁判にまでなったが、証拠不十分で不起訴となった)
登校拒否になった彼は、今の一般公立小学校内にある「特別学級」に通うようになり、話好きの明るい少年へと変化していった。

数日前、彼が自分のカバンの中に入れられてあった紙を見つけた。
そこには「クリス(彼の名前)は、ヨダレを流して、気持ちが悪い」などと言う内容であった。

彼は正しい文法で話こそ出来ないが、意思はきちんと伝えられる。
読み書きは、偏りはあるものの、好きな単語は記憶している。

彼は、この紙の内容全てを理解しなかったものの、何となくこの内容は自分を中傷しているような気配は読み取れたのかも知れない。
それを担任の所に持ってきた。
「先生、ここに僕の名前が書いてあるよ」と言ったそう。

担任は中傷内容から、イジメに繋がっている可能性を予測し、すぐに校長に報告。
使用されていたメモ用紙が、女の子が使用するメモ用紙であったこと、また使用している単語の乏しさから見て、6歳以下であると絞り込んだ。

案の定、5歳の双子の女の子が持っていたメモ用紙と一致。
双子を追及したが、「知らん」の一点張り。

カウンセラーが参加し、双子を分けて調査した。
うち1人が「だって、ヨダレが気持ち悪い」と吐いた。

何気に書いたメモ内容が、誰かを傷つけてしまうこと。
これを担任から教えるべきか、親から言うべきか・・・と校長は悩み、結果、双方から双子に教えることになった。

その日の夕方、双子の親を呼び出し、内容を話した。
しかし、22歳になる母親は「娘達が、そう思ったのならそうなんじゃない?思ったことをメモに書いて、何が悪いのか分からない」と言った。

しかし、書いたメモを、わざわざ彼のカバンに入れているという事は、悪いことをしているという意思が、少なからず5歳の中では理解していたはず。
ここを、担任と校長は指摘したが、母親は「じゃあ、今後、学校側で娘達と、その少年を関わり合わせないように配慮すれば?」となり、話し合いにもならずに終わった。

クリス君の親は、「こういう事がありえると覚悟していたが、学校の対応が早かった」ことに感謝の気持ちを述べ、「自宅できちんと話します」と言い、帰宅された。

担任は「親の存在とは何か」を深く考えると共に、こういう親との接し方に悩むのであった。

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