先日、旦那の小学校に日本語のボランティアに行った時のこと。

1時間目は、日本語遊びをしました。
例えば、私が日本語で「トマト」と言う。
「さて、何と言ったでしょうか?」と子供達になげかける。
子供たちは、英語発音でトマトと発音されなければ、日本語発音で「トマト」と言っても、トマトとは結びつかない。

子供たちは「もう1回言って!!」と私に聞き返し、私が何度か言うことで「さては・・トマトの事か?」となる。
こういう言葉遊びをしていました。

2時間目、いよいよお好み焼を作りはじめました。
キャベツを子供達が切り始めた頃だったと思います。
母親に首根っこを掴まれ、暴ればがら教室に入ってきた、小さな男の子がいました。

母親に蹴りを入れ、噛み付いたりしていたので、母親は男の子の身体と首を掴み、床に押さえ込んで、担任に引き渡しました。

男の子は暴れながらテーブルに座ったのですが、見慣れない私が座っていたので、おとなしく座って、キャベツを切り始めてくれました。

母親は、まあ見た目からしてアホ。
化粧はバッチリ、ブランドで固めてはいたものの、教養も品もなければ、常識もないタイプの若い母親でした。
まあ、ここの学校にはありがちですが・・。

日本語レッスンを終え、ランチタイムまであと15分となりました。
担任である旦那は「パソコンしたい人、やっても良いよ。今日は皆、とっても良く出来たからね」と子供達に言いました。

子供たちは、教師室内にあるマッキントッシュ(コンピューター)を立ちあげ、ネットで見たい子供番組などを見ていました。

するとさっきの男の子が、真っ先にパソコンを立ち上げ、子供番組の「子守唄」特集を見はじめました。
ヘッドフォンをし、歌をうたい始めたのです。

さっきまで、あんなに暴力的だったのが、今はただの小さな5歳の男の子。
赤ちゃんのような顔で、子守唄を歌い続けていました。

なんて可愛いんやろう・・・と見ていたら、旦那が「あの子は、毎日ああやって、子守唄だけをネットで見るねん」と教えてくれました。

彼は今5歳。
上には9歳の姉と、下には3歳の弟がいます。
父親は全て違い、母親は今23歳。
つまり、13歳で妊娠、14歳で出産。

男を作っては家で同棲。
しかし、付き合う男もアホばっかり。

男の子は、これまでに、何度も母親が彼氏に暴力を振るわれたり、腕を折られたり、泣き叫びながら喧嘩しているところを見てきているそう。
家庭内に安らぎはなく、母親も子供を怒鳴ったり、殴ったり蹴ったりの日々。

結局、この環境から、彼は人と話す事もなくなり、ただただ暴力的になったそう。
普通学級の子供達に、悪影響を及ぼすとの事で、この特別学級に来ています。

担任である旦那には、質問されたら答えますが、基本的には友達も作らず、1人で何かをすることがほとんど。
しかし、旦那は言いました。
「あの子は、家庭環境ゆえに暴力的だけれど、算数が得意で、普通学級の子たちよりも出来る」とのこと。

しかしながら、常に怒りを秘めた状態にあるため、普通学級で学べる学力はあっても、担任や子供が彼をイラっとさせることをしたりすると、鉛筆で刺したり、噛み付いたり、蹴ったりしていくのです。
本来なら、学力的には非常に頭の良い子なのに、普通教育が受けられない状態にあるのです。

また特別学級には、政府から派遣された、児童心理学専門のカウンセラーが来ています。
1日でも早く普通学級に戻すため、1日に2人ずつカウンセリングを行い、子供の心を普通の状態に戻していくのが目的。

この方ともお話をしました。
5歳の男の子は、「なぜ子守唄だけを毎日見るのですか?」と私が聞くと、カウンセラーの方は答えてくれました。

「彼が3歳くらいの時、母親に彼氏がいない状態の暮らしが半年ほどあったのよ。その時、寝る前に親子みんなで、あの番組を見てから寝ていたそう。多分、その時が彼にとって、今までの生活で一番安らいだ時間だったんだと思うの。だから、あの番組を見て、子守唄を歌うと、彼の心が安らかな状態に戻るんじゃないかな。」と話してくれました。

23歳の母親にとって、恋愛が一番大事なんでしょうが、子供は子守唄を歌い、平和な時間を自分に与えているのが、子を持つ母親として、とても辛いと思う瞬間でした。
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