最近、日本人の友達が出来た。
というか、ここに住み始めて約2年、住んでる日本人を見たのは初めてだった。

彼女は同じ歳で、高校を卒業してからロンドンに住んでいるから、もう15年イギリスに住んでいる。
ロンドンでは3年演劇や歌を習い、以後はミュージカルに出ていた女優さんである。

そんな彼女が、なぜこんな田舎町カーライルに来たかと言うと、イギリス人男性とロンドンで知り合い、婚約し、彼の出身地であるカーライルに引っ越してきたからである。

まだ住んで5ヶ月であるが、「私、このカーライルに来てから、自分が外国人であることを思い知らされる事が多々あるのよ」と言うのが口癖である。
どういう意味かと言うと、ロンドンで生活していたら、色んな人種の外国人が混じり過ぎていて、何をするにも何処に行くにもジロジロ見られないし、「何処の国の人?」とおもむろに聞かれる事などないという。

が、ココに来て、スーパーで「何処の国の人?」と聞かれ、薬局でジロジ
ロ見られ、働けば客に「何故ここに来たのか?」と聞かれ、自分は15年の間、すっかり外国人であることを忘れていたが、カーライルには壁のようなものがあると彼女はいつも言う。

私はカーライルにずっと住んでいるから、こんなもんかと思っていた。
確かに、デパートで働いていたら、1日に1回は客に国籍を聞かれる。
パブに行ってお酒をオーダーしている間、客から露骨にジロジロ見られるのは、もう慣れてしまった。
中華料理屋でご飯を食べていたら、白人の老夫婦が、失礼という言葉を通り越すほど、ジーッっと私を見ていた事もあった。

ただそれは、それだけアジア人が住んでいないのがカーライルであるから、仕方ないとは思ってきた。
彼女はどうもこの雰囲気が好きではないらしい。

まあとは言え、アジア人の顔を変える事も出来ず、日本語発音の英語を変える事も不可能で、「外人で何が悪いんじゃい!!」という気持ちで生活しなければ、まだまだ人種差別の色濃く残るイギリスの田舎町では、やっていけないのである。