私が日本に里帰りしていた頃、大家族も帰って行った。
義父母は、あの家族と共に2ヶ月を過ごす前までは「素敵な家族」と言っていたが、今では「二度と来て欲しくない」と言うほどまでになっていた。

最も驚いたのは、大家族が帰国した当日の事。
嫁の両親は「期待していたほど、ヨーロッパは魅力もなく、もう二度と来る事はない」と言い残して帰ったものの、土産はしこたま買って帰ったらしく、航空会社が制限している重量を、20キロ以上も超えてしまった。

当然、これで飛行機に乗せてはくれないから、中の荷物を減らすか、超過料金を支払うかになった。
嫁の両親はキレて、「馬鹿馬鹿しい」とゴネた。
海外旅行に行った事がない、このオッサンは、重量制限があることと、それを超えたら金が要ることを知らんのである。

「俺はそんな金は払わない」の一点張り。
「だいたい、この国は金が高すぎる」とゴネ始めた。

そら、仕方ない。
国が変われば、レートも物価も違うのが、地球の当たり前である。
しかしオッサンは「ここに来る金だけでも、俺達からすれば高額だった。もう十分金は払った。」とまだ言う。

イギリスに来たのはオッサンの意思。
旅行に行くということは、金が要るのは当たり前である。
が、オッサンはゴネまくり、最後は自分の娘がこんな物価の高い国出身の男と結婚したことを、本当は良く思っていないなどと言い出す始末。

これに呆れた義父は、せっかく楽しくお別れをしようと思っていたが、自分の息子をけなされた気がして「じゃあ、私が払いますよ」と言った。
その合計は、日本円にして12万である。

嫁の親は、「ああ、そうですか。悪いですね」とだけ言い、機嫌良く帰国していったそう。

イギリスは思ったほど楽しくなかったが、買うものは山ほどあったのである。
結局、義父の金は狙われた。