彼の存在は、
友達以上恋人未満な風だったり
まとわりついてくるペットのようであったり
あたしの子供みたいな感じだった
でも、会おうとも思わないし
リアルの顔も知らない
おせっかいで、過干渉気味な性格のあたしは
彼のお世話が単純に、楽しかったのだ
だから、彼も、どんどん甘えてきた
彼がゲームを止めて4年ほど経った去年
あたし以外の友達に誘われて
彼がまたゲームに戻ってきた
彼が止めた後も、まったりとゲームを続けていたあたしは
彼より、ずっと強くなっていて
戻った彼のサポートをしたりした
それは、あたしがリードして世話するわけだから
最初は、楽しかったのだ
でも、たった4ヶ月の間に
彼は、課金もして、めちゃめちゃ強くなっていった
彼を誘った友達も強く
あたしは、同じゲームに居ながら
違う世界にいるように感じた
同時に、彼の甘えが助長していき
ゲームをするために、LINE電話で起こしてと頼まれたり
ゲームに対する依存度が強くなって
眠らずにゲームをするようになった
心配するあたしの言葉など、耳に入らない。
年が明けてすぐに、たわいもない事で喧嘩した
その時、あたしの中で、何かが切れた
ゲームをするために、
彼と遊ぶために
アラームをかけて起きなきゃいけない
疲れても、何時間も続けないといけない
ゲームに依存する彼の身体を心配しなきゃいけない
でも、彼は、言う事を聞かない
疲れた
心底疲れた
疲れたあたしが出した結論は
「縁を切る」だった
10年近く続いていた友達関係を清算する事
それを彼に告げた
彼と繋がるためのすべてのツールを消して
あたしの個人情報も消してくれと言った
彼は、あたしが言い出せば、引き留めない性格と
わかったうえでの言葉だった
返ってきた言葉は
「了解」
「今までありがとう」だった
お互い、まだ同じゲームにいるから
彼のキャラを見かける事はある
ものすごく寂しい
胸にぽっかり穴が開いたようで
喪失感が襲ってくる
他に方法は無かったかと後悔することもある
でも、きっとこれで良かったんだと思う
ゲームに依存して寝ないで
「眠い眠い」とあくびしながらやっている彼を
見たくない
彼に振り回されている自分もイヤだ
たぶん、長くあたしの胸は
せつなく、ちくちくと痛むだろう
だけど
彼との共依存のような関係を
精算したあたしの決断は
間違ってないと信じる
