大江戸仙界記 辰巳芸者いな吉と洋介

本書の終章の前章と終章で、驚くことに、辰巳芸者・いな吉が、時空を超えて現世に出現する。どうやら江戸時代の徒歩と駕籠を使った箱根旅行で疲れた いな吉が睡眠中に時空を超えたらしい。

その時、現世の速水洋介の妻・流子の姿が見えない。流子が持参した服もなくなっている。

洋介は、いな吉を現世の衣類を買い与え、20歳の若い女性としてホテルの外に連れ出し、喫茶店でアイスクリームを食べさせたり、タクシーや新幹線で東京まで いな吉を連れて行く。

いな吉にとっては、見るもの聞くものが驚天動地で目をパチクリ白黒させている。

相当疲れたあろう。

いな吉はホテルに戻ると疲れが出てすぐに寝入ってしまった。 

翌朝、速水洋介が目覚めると、いな吉や江戸の熱海の旅籠の着物は消えていた。

洋介がすぐに時空を超えて江戸の熱海の旅籠に戻ると、いな吉は、「旦那さまと一緒に仙境に行った」と自慢しているところで、同宿の女子衆は「そんなこと言ったって、昨夜から今までぐっすりと眠っていたじゃないか。夢だよ」と取り合わない。

洋介は、いな吉に、耳元でそっと言う。「仙境へはたしかに言ったが、私が仙境の術を使い、いな吉の魂を仙境に連れ出したのだ」とごまかす。

いな吉は仙境へ行ったことを革新して疑わない。

 

全7巻のうち、第4巻まで読了した。