下村湖人先生は、『次郎物語』に代表される児童文学者として知られていますが、実は、偉大な教育者でもありました。
私が初めて『次郎物語』(1部・2部)を読んだのは小学4年生のときです。ぼろぼろ涙を流しながら読んだことを鮮明に覚えています。
中学生になって再読したときは、「親というものは、子どもの気持ちをわからないものだなぁ」とイッパシの感想を持ったことを覚えています。
大学生(教育学部)の時に読み返したときは、第5部まで読了し、教職を目指す自分自身の心の糧となり、同時に「親の愛情の強さ」を理解しました。
1983(和58)年、教職5年目のときに、小学生の頃から行きつけの小さな書店の文庫本の棚で新潮文庫版『青年の思索のために』(下の写真の右側)を見つけてて購入し、夢中で読み、その後、20回以上読み返しました。写真はクリックすると拡大します。

写真の左側は、2009(平成21)年にPHP研究所から新装版として出版された同書です。文字が大きくなり、ルビが振られるなど、読みやすくなっています。
ちなみに、私がこれまで数十回読み返した本は、この『青年の思索のために』とアンデルセン作『絵のない絵本』の2冊だけです。
新潮文庫版の本書の裏表紙には次のような説明があります。
--ここから
高く飛べ まっすぐに飛べ ゆっくり飛べ
─ これから人生の大飛行に出発しようとする若者に励ましを与え、生きるための方向を示す『人生随想』。身近な逸話をまじえてわかりやすく語った『真理に生きる』。愛と燈火、可能と必要、ぬる風呂所感など、著者独特の人生の機知が光る『心窓去来』。『次郎物語』の著者が、自らの体験から把握した真知、真愛、真勇について語った人生の書。
--ここまで
年月が経って、職場に「この人を育てたい」と思う後輩ができた時には、この本をプレゼントしたものです。
教職8年目頃でしょうか、行きつけの書店のおじさんが、私が『青年の思索のために』を後輩にあげるのだと言って何回も注文するので、下村湖人の著作集を調べてくれて、「国土社から『下村湖人全集』全10巻が出ているよ。分割払いでいいよ。」と言ってくれたので、2年の分割払いで買いました。(次の写真)
購入後30年以上経って、いまだに読んでいます。読むたびに新しい発見があります。
少々大袈裟な表現を許してもらえば、この全集には「本来の日本人・本当の日本人」が活写されていると言ってもよいと、個人的には思っています。
生きているうちに、あと何回読めるでしょうか。
私が私淑する教育者四傑の二人目は下村湖人先生でした。
追伸
『下村湖人全集』に収録されている作品の一覧は日を改めてブログに書く予定です。
また、下村湖人先生の名著に『論語物語』があります。『論語物語』についても、日を改めてブログに書く予定です。
