大湾節子さんの著書『幻の旅路』の
「第3章 1980年、第三回目の旅」
9月15日~11月25日 71日間 七ヶ国
イギリス→オランダ→フランス→スペイン→モナコ
→イタリア→ギリシャ→イタリア→モナコ→
フランス→オランダ→フランス→イギリス
の読後感の続きです。
本書からの引用はブログの引用機能を使って表記します。
なお、引用文中、(略)はブログ筆者による省略です。
私の読後感を大湾さんがご自身のブログ「『幻の旅路』大湾節子のブログ」に、カラー写真を添えて転載してくださいました。添えられた写真によって、ご著書のイメージが膨らみます。
大湾さんのブログはこちらです。
97頁
ラ・ロシェルでオーストラリア人の夫婦に出会う
10月3日 ラ・ロシェル
前回のブログからの続きを書きます。(99頁)
大湾さんには愛猫が2匹いました。
ラ・ロシェルで出会ってから26年もの長い年月、交流のあったモリーさんが 2006年11月27日にお亡くなりになったという連絡を受けたとき、15歳になる愛猫の1匹が重い病気にかかっていました。
写真 「傷ついた心の幼女を助けてくれた兄弟猫のアルバート(上)とアンカー」
2002.09.01(上)/2003.07.01(下)
2枚の写真の猫は、大湾さんのブログに紹介されている2つの動画に登場している猫たちではないか、と、思いました。間違っていたらごめんなさい。
この動画というのが、大湾さんがテレビ局から取材を受けた番組で、下記のYouTubeに公開されています。
--ここから
大湾節子 ヨーロッパ・カメラ一人旅 第1部
『幻の旅路』“Maboroshi no Tabiji” (“Revived Journey”) 大湾節子
https://youtu.be/yUf3Gh42OeQ
https://youtu.be/_JIYv6eBG4M
大湾節子 ヨーロッパ・カメラ一人旅 第2部
『幻の旅路』“Maboroshi no Tabiji” (“Revived Journey”) 大湾節子
https://youtu.be/N5cWvsNZ6NE
https://youtu.be/xAVcyh0YwIw
--ここまで
『幻の旅路』という書名を英訳したものが “Revived Journey” なのでしょうか。
revived は「改訂された」というような意味だと覚えていますので、 “Revived Journey” は「旅路の改訂版」。すなわち、「本書を書き上げることで旅路を振り返る」という意味なのでしょうか。これまた間違っていたらごめんなさい。
実はこの猫は十五年前(1991年)シェルターから引き取った美しい兄弟猫の一匹だった。私たち夫婦は大好きなスイスの画家「アルバート・アンカー」の名を取って、それぞれの猫に「アルバート」と「アンカー」と名付けた。
(略)
それから三年後(1994年)、日本人の生みの親とアメリカ人の養親に何かの事情があって二回も手放され、心に深く傷を負った三歳十ヶ月の日本人の女の子を引き取った。いままで愛されたことも愛することも知らなかった彼女に、二匹の猫が愛することを見事に教えてくれた。
これが本書『幻の旅路』に大湾さんの娘さんが初めて登場する場面でした。二匹の猫たちは、単なるペットではなく、娘さんの人生の初期、娘さんの人間形成に大きく関わったことがわかります。猫たちの存在が娘さんの心身の成長に計り知れない役目を果たしたのだ、と、思いました。
そして、この文章には「私たち夫婦」と書かれていますから、大湾さんのご主人様が本書に登場したのも、この文章が初めて、と、いうことになりましょうか。
また、猫たちを「シェルターから引き取った」と書かれています。「シェルター」を直訳すれば「避難所」になりますから、おそらく二匹の猫は動物を一時的に保護する施設にいた、と、いうことなのでしょうか。
彼女が愛することを少し学びかけたときに、アンカーが十四ヶ月もがんと闘った後、十三歳で死んでいった。そしてアルバートは、この旅行記が完成するまで何とか生き延びておくれと願っていたら、椅子から二回も落ちて腰を骨折し完全に動けなくなったにもかかわらず、九ヶ月も病気と闘って、2007年6月29日、ちゃんと私が原稿を書き終わるのを待って逝った。二匹ともまるで「僕たちのお役目は終わりましたね」といわんばかりの立派な死に際だった。
私は動物を飼っていませんので、実感として理解することは困難ですが、ペットの動物は飼い主の人間にとって、家族の一員として愛されているのだ、と、いうことがよく分かりました。
猫の13歳というのは、人間に例えると何歳になるのか、私には分かりませんが、恐らくは、高齢だったのだと推察します。
いずれにしても、ラ・ロシェルは、大湾さんにとって、血の通った温かい思い出の地であったことには違いありません。そして、旅で出会った人たちとの交流が人生の中で大きな意味を持つことがある、と、いうことも、私は『幻の旅路』から学びました。
(つづく)
