週に1回、4人の中学2年生に数学のグループ指導をしています。4人とも地元の公立高校受験を予定していて、中2ということもあり、ゆったり構えています。
 数学教室なのですが、思うところあって、年に1・2回、数学以外の教科の小テストをしています。この「思うところ」というのが、暗記力と学力(テストの得点などよりも根源的な“頭脳力”のようなもの)との関係を探りたいという思いです。
 
 1年前、中1生だった彼らに、不意打ちで、都道府県の境界線付きの白地図を渡し、制限時間10分で、すべての都道府県名を漢字で、正しい位置に記入するテストをしました。彼らは、居住地から離れた都府県名はほとんど書けず、居住地近くでも、埼玉県と東京都、群馬県と栃木県の位置をそれぞれ逆に書いてしまうなど、4人全員が正答率3割未満という散々な実態が明らかになりました。

 こういう状態を受けて、今回、1年ぶりに8月最初の授業日に、次のとおり、テスト実施の予告をしました。
◎テストは8月の最終授業日に行う。
◎2乗と3乗の乗法公式(7月に指導済みの7パターン/一部は高校数学)と因数分解の公式(同左)の書き取りテストと、47都道府県名を漢字で、白地図の正しい位置に記入するテストの2部構成とする。

 彼らが実施予告を聞いてから3週間、どのくらい勉強したかは知りませんが、数学の公式書き取りテストは、全問正解1名、9割正解2名、5割正解1名という結果でした。
 そして、驚くことに、都道府県名の記入テストは4人全員が漢字も正しく書けて、完全正答できました。

 生徒に感想を尋ねると、次の3点が4人に共通したものでした。
◎乗法公式と因数分解は勉強不足だった。まだ完全に理解していない。
◎都道府県名はお盆休み中にけっこう勉強した。先生(私)から教わったとおり、「小声で口にしながら書く」ことを繰り返したら頭に入った。おもしろくなってきた。
◎都道府県名は覚えたので、今度は都道府県庁所在地についても白地図テストをしてもらいたい。

 私は、脳科学者でも医師でもないので、科学的なことはわかりませんが、
 ①暗記する行為を通して、学力の下地としての頭脳が耕されるのではないか。
 ②小学2年から3年にかけて、かけ算九九を暗唱することも、頭脳を耕すことになっていたのではないか。
 ③黙読だけではなく「声に出して書くことを繰り返す」ことが有効ではないか。
 ④勉強の過程で成功体験があると暗記力は高まるのではないか。
 ⑤暗記する内容の意味がわからないのに棒暗記しても定着しないし、学習意欲も低下する。
というように考えています。

 ⑤については、私自身が文語文法を覚えようと勉強している最中なのですが、動詞の活用形を、未然・連用・終止・連体・已然・命令の順で、「さ・し・す・す・せ・せ・・・だからサ行四段活用」と棒暗記してもだめと言うことは、痛いほど理解しています。
 今、ようやく文語文法について、自分の脳みそが「わかった!」という手ごたえを獲得し始めているのは、単語1つずつ辞書を引いて、辞書を読みながら用例とともに活用形を覚えているからだと思っています。

 「学力の下地としての頭脳を耕す」という考え方の適否を学べる書籍を探しています。心当たりの方は、ご教示願います。