読売新聞が教育欄のシリーズものとして長く続いている「教育ルネサンス」に、今月から「秋田の秘密」と題した取材記事が載っている。
 秋田県は、2007年に始まった全国学力・学習状況調査(いわゆる学力テストの全国版)で毎回、トップクラスの成績を収めているので、私も興味深く読んでいる。

 6月21日の「秋田の秘密2」では、授業の板書研究が取り上げられた。板書とは、教室の黒板への教師の書き込みや資料の掲示などを指す教育用語だ。
 数十年前、私の教育研究の師匠として私淑していた方が、地区の教研集会で「1人の100歩前進よりも100人の1歩前進を目指そう」と挨拶したことを思い出した。
 卓越した指導力を持つ教師の実践を同僚どうし、県内の教員どうしが共有することの意味は大きいと思われる。よい取材記事だと思った。

 6月25日の「秋田の秘密3」では、子どもたちに「話型」を身につけさせる実践が紹介されていた。「○○さんの意見に賛成です。理由は~だからです」というような「発表のしかた」の訓練のことである。
 これを読んで、「あれっ?待てよ?」と思った。
 こんな当たり前のことまで記事にするのか?!という気持ちがむくむくと湧き上がったのだ。
 落ち着いて考えながら、次の2つの予想をした。
 1 当たり前の指導方法まで新聞記事にして広く公開しなければならないほど、全国の公教育の水準が低下しているのか。
 2 当たり前の指導方法を地道に継続したからこそ、秋田県の学力が向上したのか。

 6月26日の「秋田の秘密4」では、家庭学習の習慣づけを図るためのノート指導が取り上げられた。これはよい記事だと思った。

 今回の「秋田の秘密」では、まだ取り上げられていないが、昨年のNHK「ニュース9」で、秋田県では小学校の入学式で新入学の児童全員に直線定規を配っていることが紹介された。
 K社の定規で、目盛などが工夫されていて、算数・数学の授業、特に「割合」の学習に効果があることが知られている。

 数十年前に学級担任として教壇に立っていた頃のことを懐かしく思い出した。