一流であるということ|フィレンツェの秋の週末と、職人としての刺激 | 人生の果実を味わう彫金職人の暮らし フィレンツェ物作り物語

人生の果実を味わう彫金職人の暮らし フィレンツェ物作り物語

フィレンツェ在住26年の、ジュエリークリエーターKaorukoが、物作りについて、イタリア子育て生活をまじえながらお伝えします。

一日一日、目の前のことと

目の前の人に集中して過ごしていると


瞬く間に時間が過ぎ去っていく。



日本の皆さま

おはようございます。



シニョリーア広場近くにあるステファニアのセレクトショップL’albero capovolto


にVestri の仕事後久しぶりに立ち寄り、ディスプレイをする。





日本出発前に、個展やイベントへ向けて大方の作品を持ち帰っていた。



ディスプレイ後、ステファニアにリングを身につけてもらって

着装動画などを撮ってみる。






私の手がけるジュエリー

VersiColori

も健在です!


フィレンツェに戻ってからも、こうして仕事をしながら、日々はあっという間に過ぎていく。


そして週末。

主人の関係するイベントが土日とも開催された。



土曜日はボードレール「悪の華」翻訳出版会、


日曜日は、アッシジの聖フランチェスコの日10月4日ということで、

聖フランチェスコに関する詩の朗読と室内音楽のコンサート


が予定されていた。



出版会は、書店は異なるけれど、

初回に見に行っていたので、

この度は次女を送り込み


私は彫金制作を進めた。



日曜日は、東京と北京で行われているテニスの試合をゆっくりと見て、

作業台に向かってコンサートが始まる17時半ギリギリまで制作に励む。


教会でのコンサートは、中々盛況な人の入りだった。




前半は聖フランチェスコを讃える歌などで、やわらかな雰囲気だったのだが、


後半が中々興味深かった。



ヒンデミットというドイツの作曲家が1938年に作曲した「気高い幻想」。

初めバレエ音楽として作曲されたものを今回はバイオリンとチェロで演奏された。



この曲は彼がフィレンツェのサンタクローチェ教会を訪れた時に見た、

聖フランチェスコについて描かれたジオットのフレスコ画から着想を得ているという。




かなり難解な曲だった。

シェーンベルグなどの時代で、しかも第二次世界大戦の頃である。


調和が壊れているようで、最終的には調和に導かれる。


演奏者の技量が問われる作品だった。  


以前もこのブログで触れた元ウィーンフィルの第一バイオリンだったミハエルの演奏だったので、

クオリティは素晴らしかった。


以前の記事はこちら。




チェロ奏者も上手かった。


しかし聴衆は、こういう音楽に慣れていない感じだったので、

受けは前半の方が良いようだったが、


音楽の素晴らしさは断然後半部分だったと思う。


主人は今回も内容説明と

朗読を担当した。


イベント後に

聴衆の反応を主人に伝えると、


予想通りだったらしい。


主催者から

「ここの聴衆には難解だと思うから酷評もあり得るよ。」

と言われていたとのこと。


それでも、芸術家魂を曲げずに、

やりたい曲を演奏することに決めたミハエル。


かなりの石頭だが、才能豊かだからこそ

許される。


有無を言わさぬ圧倒的な技術。

一流であるとはこういうことなのかな?


などとも思ってしまった。


一流であるための研鑽も

ひとかたならぬものであることは


想像に難くない。


目の前のことに集中して、

一つひとつ積み重ねていく。


職人の端くれである私にとっても

刺激的な夕べとなった。



オルビタ リング925シルバー オニキス




日々のフィレンツェの光や時間の中で、ひとつひとつ手作業で制作しています。


現在ご案内できる作品や、オーダーについてのご質問は

下記リンクよりお気軽にどうぞ。


▶︎公式HP VersiColori 

▶︎ Instagram (DMも開放しています。)