土曜日、中学生の次女はお休みだが、高校生の長女は授業がある。
私と次女は、ちょっとゆっくりと朝寝しようかと思っていたが、
朝から発送の用意と商品の写真撮影をする必要があったので、
さっさと床を抜け出し、動き出す。
と言うのも、
次女は11時には友人宅に行く予定になっていたし、私も同じ頃、長女と買い物の約束で、家を出るつもりにしていた。
ゆったりとした週末の朝は、どこへやら?
結局、あっという間に時間が経過し、ひとまず、やるべきことをして、大急ぎで待ち合わせのお店へ行く。
バーゲンで自分の物を物色したい思いもあり、また一週間後に迫った、長女のお誕生日プレゼント買いも兼ねての約束だった。
長女のお気に入りのお店で、コーデュロイのゆったりとしたブルーのパンツを見つける。
彼女にもよく似合ったが、久しぶりに自分用に購入を決定。
長女はプレゼントとして鮮やかな緑色のセーターを選んでいたが、決定する前にもう一軒見たいと言い出し、ブティックのハシゴになる。
と思いきや、
ドゥオモの前を通ってもう一軒のお店に向かっている途中に、
気が変わったらしく、
「誕生日プレゼント、本にしてもらってもいい?」
と聞いてくる。
「いいけど、それこそ、パパに尋ねた方が、安く買って来てくれるんじゃない?或いは、図書館で借りるとか?ママは服担当の方が良くない?」
と言ってみたが、
「洋服は充分持っている。」
と言い出す。
ここのところ新調していないので、服や靴が欲しいかと思っていたが、
まあ、本人が決めれば良いことだと思い、本屋へ向かう。
とは言え、
「例えば、今はバーゲンシーズンだから、値引きのない本よりも良い品が買えることなど」、
一応、私の意見も、
きっちりと伝える。
が、結局、長女は本屋で気になっていた本を4冊ほど選び、これが私からのお誕生日プレゼントとなった。
色気づき過ぎて、勉強しないでいるのも困り物であるが
本の虫になって、見た目に気を使わないのも
気がかりになるのだから、
親というのは勝手な生き物である。
午前中のいっときは、長女と買い物を楽しんだ私だが、
夕方は長女は友人宅で夕食、
次女は友人たちと寿司を食べに行った後、映画に行く
ということになり、
ぽっかりと空いた時間は主人と二人きりになる。
お互い夕食前ギリギリまで仕事をしていたが、、
どうせならば、好きな物を食べに行くか、何かテイクアウトをしてNetflixでも見ながら食べよう!
ということになる。
外出する気があまりなかったので、私は後者を選択した。
そして、タイ料理のテイクアウトをすることに決定。
パッタイや、レモングラスたっぷりのタイ風チャーハン、餃子や春巻きなどをつまみつつ、
主人のセレクトの
を見る。
クラシック音楽の黒人ピアニストの運転手として、イタリア系アメリカ人の白人が選ばれるのだが、
人種というものが、思い込みによるステレオタイプに描かれていて、始めの方は笑えた。
まずイタリア系アメリカ人はマフィア関係のチンピラ、ということで、話す言葉はシチリア方言。
ゴットファーザーしか、頭にないからだろうか?
運転手はこのチンピラ業を卒業できたわけだが、
黒人は野蛮で無教養
白人は、エレガントで、学がある
という一般的な思い込みを覆すようなコンビだった。
黒人のピアニストが、白人の運転手が奥さん宛に書く手紙を添削したり、
白人の運転手が、骨つきチキンを手づかみで食べる方法を、黒人ピアニストへ教えたり、
となんとも微笑ましい光景が続いた。
高名なピアニストでありながら、黒人だということで、
控室が粗末なものだったり、
一般トイレが使えなかったり、
由緒あるレストランで公演する時には、公演前にピアニストだけ、黒人だからという理由だけで、そのレストラン内で食事ができなかったり、
果ては、黒人は通れない道路があったり
と驚くべき事件が続出する。
グリーン ブックというのは、黒人が安全に旅できるための、問題なく通れる道路や、泊まれるホテルなどが記されているガイドブックで、イタリア系アメリカ人の運転手がこれを見ながら、道を選んで行く。
夕食、映画のセレクト共々、今日は完璧で、主人も私も大満足だった。
たまには、夫婦水入らずで、お互いの好きなことにとっぷりと浸る時間も大切だと感じる。
遠い昔はこんな風に、お互いの感受性が共鳴するものを共に楽しんでいたはずなのに、
役目に縛られて、
二人一緒に心躍る瞬間を味わうことを後回しにしすぎていた。
あまりにも後回しにし続けると、
一緒に何をしたら楽しいか?
ということも忘れがちになるから恐ろしい。
心がかたくなに硬くなってしまう前に、
一緒に楽しめることを、こまめに共にすることが夫婦円満の秘訣ではないか?と
痛く感じ入る。
私たちもその辺りが、お粗末になっていたのだ。
「大丈夫ですか?自分本位になりすぎじゃありまんか?」
と、
神様は、こうして時折、
手を差し伸べてくれる。
素直にリセットして、
また、お互いにとってのかけがえのない、良き日を紡いでいきたいと思う。
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