長女などは4日間外に出ていなかったので
「なんか嬉しい!」
と微笑んでいた。
行動は制限されるが必ずしも外に出てはいけないわけではないのだが、
日本大使館から送られてきたメールにも
「外出している理由を書いた紙を携帯しておかないと、警官などに止められた時に提示を求められる可能性がある。」
などと書いてあったが、
主人に言うと、
それは市街に出る時であり、それ以外は大丈夫だから!
ということだった。
しかし政府の意向としては、人々の接触を減らすために、できるだけ外に出ないようにということだろう。
しかし晴天の青空が広がる中、
家から出るな!
と言われて気が滅入らない人はいないだろう。
フィレンツェ市内は、人っこ一人いなくなったわけではなく、
やっぱりみんな外を歩き、光合成をする植物のようだった。
本来ならば、単独行動が好きな長女だが、
珍しく一緒でないと外に出ない
と言うので、一緒に画材屋へついて行ってやった。
その後、私と次女は文房具屋へ行き、結局公園で少し留まることにする。
束の間だったが、体を動かして優しい太陽の光に包まれて、
次女はブランコを空まで高くこぎ、
空っぽの公園を走り回り
幸せの光を体にまとっているようだった。
今まで当たり前だと思っていたことが突然失われると
再びそれを行う時、
その他愛のないことが、どれほど貴重であり、必要だったかが身にしみる。
近所の書店主は
「今日は開けるけど、明日から閉める」
と言う。
昨日寄った工房に来ていた若い西洋彫り職人は、
「この結婚指輪が終わったら、しばらく工房を閉めるよ。
誰も結婚式しないしね。」と。
結婚式をしたとしても立会人と新郎新婦だけで、お客さんなし。
一体誰がするのだろうか?
バチカン市国の聖フランシスコの言葉ではミサはもちろんのこと、
結婚式だけではなく、お葬式もできない状態だ。
たった二週間でイタリア全土が一気にしぼんだ。
毎日死者数も増えるが、経済の方も緩やかに
いやいや一気に、死に向かいつつある気がする。
明るい愛すべきイタリア人たち。
訪れた工房で、一体何の動画を見ているのか、大爆笑を一人で繰り返していた人がいた。
その声を聞きながら、西洋彫り職人の若者も含め皆が顔を見合わせ
「何してるんだか?」
と。
どんな時も笑いとユーモアを失わない彼ら、
そして自分も含め、この国を愛する外国人のみんなが
この危機をチャンスに変えられることを切に願
う。
今日も最後まで読んで下さり、ありがとうございました。


