こんにちは。フィレンツェ物作り物語のKaorukoです。
フィレンツェで私のお気に入りの美術館と言えば、
フラアンジェリコ(ベアート アンジェリコ)の受胎告知で有名な、サンマルコ美術館と、
もう一つはあまり人に知られていない、貴石加工美術館。
Museo dell'Opificio delle Pietre Dure
主人の仕事が、遅く始まるある朝に、私の大切な場所、
貴石加工美術館を二人で静かに訪れました。
ここはフィレンツェに来た当初の、右も左も分からぬうちから数えると一体何回足を運んだのでしょう。
友人や母親を連れて行ったり、一人でぼんやり過ごしたり、
時間が止まったようにゆっくりできる空間です。
フィレンツェモザイクともいわれる象嵌細工(貴石や大理石をモチーフに合わせてカットしはめ込んでいく手法)の、美術品が展示されています。
黒曜石、ラピスラズリ、紅玉髄(カーネリアン)、縞めのう・・・
二階にある石たちをうっとりと眺め、18世紀の作業台のラインの美しさ、小物入れの精巧さにため息をつく。
この作業台は胡桃の木でできていて、カメオや石に彫りをほどこすときに使用されたようです。
真ん中には、ブロンズでできた、地球をかつぐヘラクレスがあるのですが、実はモザイクを削るグラインダー(小車輪)がこの中にかくれています。
作業台までが美術品の一つみたいで、これで作業すれば、
気品ある作品が生み出されていくのも、うなずけます。
一階には絵画や装飾品が展示されていて、私の好みは果物や、花、蝶といったモチーフのもの。
こちらは、それぞれの引き出しに鍵がかかるキャビネット。
宝石類を保管したのでしょうか?
可憐な花や蝶の引き出しの一番下に、
何やら面白いモチーフを発見。
造形的にはあまり美しいといえない
へしゃげた形のネクター(桃)と、それにくっつく虫が。
作り手は色々なモチーフに挑戦しながら、美を追求していったのですね。
美の定義は人それぞれ。
様々な様相で私たちを取りまいています。
人からの一言で、思わず開眼するようなこともあり、
それを形にしてみると、さらなる驚きが待っていることもあります。
物を作るということは、
自分の中から出てくるものと、自分を取りまく世界が引き出してくれるものとの融合
ではないかと、最近つくづく感じています。
そういう人や、自然から頂くインスピレーションに感謝しながら
日々を大切に過ごしていきたいものです。
貴石加工美術館
Via degli Alfani 78
開館時間 月曜~土曜 8時15分~14時まで(日曜、祭日休館)






