私は絵を描くのが大好きだった。
2歳くらいから、鉛筆を離さない
とにかくお絵かきの好きな子供だった。
ある時、あまりにも絵を描くことに夢中になって
他の事が出来ないことを怒った母は
家中にあった落書きの紙と、鉛筆を
チラシの裏すら残さずに、捨ててしまった。
今でも、あの時のゴミ箱の自分の絵を
忘れられない位の出来事だった。
姉妹と比べられる事が多かった私は
いつも自分の役割を探していた。
楽しくなくても笑って
おどけて見せるのが、家族の中での役割だと感じていた。
そんな中で、何もかも忘れて
自分の作り上げた世界に入り込める
絵は、私の唯一の楽しみで
自分のことを認められるたった1つの
特技だった。
そして、そんな私に絶えず
同じ事を繰り返し言ってくれた人がいた。
おばあちゃんだ。
「うたちゃんは、絵が上手ね。きっと
絵描きさんになれるね。」
「うたちゃんの絵は、有名になって
価値が出るから、全部捨てずに残しとかないけんね」
「うたちゃんは、本当に優しい子やね」
「絵描きさん、たくさんの紙と鉛筆を用意しようね」
「うたちゃん。
そのままでいいから、好きなことするんよ」
「それで、いいんよ」
おばあちゃんが居なかったら
私は、今日までどうやって来れただろうか。
そう思うほどに、
このたった何個かのフレーズが
辛い時、私を支えてきた。
そして、今
それでも、自分を認められなくて
苦しんで生きてきた中で
あたしは、同じ言葉を
同じ様な、あの笑顔で贈ってくれる人に
出逢えた。
彼に出逢えて、改めて
私は今まで、ずっと、ずっと
そのままの自分を認めてほしかったのだと
ようやくわかった。
自分が本当にしたい事も
わかった。
誰かが、言ってくれなくても
構わない。
今なら、わかる。
他の誰にもなる必要もないこと。
誰もが、そのままの自分で生きていくことを
認められてるということ。
泣いても、怒っても
拗ねても、傷ついても
「それも含めてあなたは、あなたなんだ」
そう思うことが、どれ程
大切で、あなたを幸せにするのか
気がついて欲しい。
それを届けたくて
今日も絵を描いています。




