そっと指差しながら。
そこに込めた意味を智さんが伝えてくれる。
「愛情、感謝、尊敬、信頼、真実、誠実、情熱、努力、栄光、希望、幸福」
「そして…」
「永遠」
「…でさ」
「父ちゃんは最後に決まってこう言うんだ」
「おまえもいつか、大事な人ができたら…」
「必ず贈るんだぞ、って…」
間があく。
智さんの顔を見る。
強い視線が僕を捉えていた。
「だから、俺は…」
「いつか、おまえに贈りたい」
「…そう思ってたんだ」
智さんの視線がふと逸れる。
視線を追う。
外れた視線が向かった先は…
僕があげたプレゼント、だった。
「おまえがくれた折り紙の薔薇」
「これは父ちゃんが言ってた薔薇だって…」
「すぐにわかった」
「俺がおまえにあげたい」
「そう思った…」
「一つ一つの薔薇にある、それぞれの意味」
「それをおまえが先にくれて…」
「俺は、本当に…」
「嬉しかった」
「だから俺も…」
「いつか、じゃなくて」
「今すぐ…」
「おまえに届けたくなったんだ」
時間がないけどどうしても…
何か形のあるものを贈りたい。
そう思って…
出勤途中に必死に携帯をググった僕。
その中に…
『ダーズンローズ』
恋人に贈る、12本の薔薇の花束の持つ意味を見つけて…
これ以外はない。
僕はそう強く思ったんだ。

