大宮BL小説です。
閲覧ご注意ください。
ふと、腕が緩む。
見上げると、智さんの視線とぶつかった。
す…と。
指が、僕の鼻筋を撫でた。
ちょん、ちょん…と、指が鼻先を跳ねる。
ハの字に下がった目尻。
女の子達が言うように…
ドラキュラの衣装、似合ってて。
すごくすごくカッコいいのに。
でもなんか…
とろけそうな、かわいい顔で。
智さんは、僕に言った。
「だから…」
「カボチャ…」
「マジで…」
「マジで、ホントに…」
「まじめに、ガチで」
「ありえねぇほどホッとした…」
「俺の…」
「俺だけの、カボチャ…」
「すっげぇ、かわいい…」
ぎゅっと…
大切なものを包むみたいに。
智さんは僕を抱きしめて…
被りもののカボチャに、優しいキスを、落とした。
「…浮気」
「…ん?」
「浮気、じゃなかった…」
「…」
独り言を呟きながら視線を上げると…
さっきまで下がってた目尻が微妙に上がってて、驚く。
「…浮気、してんのか?」
逆に問われ、思わず「は?」と返した。
「僕が?!」
「してるわけないじゃん!」
「なんで僕なの!」
「じゃ誰なんだよ」
「智さんに決まってるじゃない」
「他に誰がいんの」
「…俺?!」
心底驚いたように…
目を見開くドラキュラ。
「まぁ、浮気というよりも…」
「気持ちが離れていってるのかな、なんて…」
「そんなこと、思ってた」
「…んなわけねーだろ」
僕の言葉を一瞬で打ち消した智さんは、また僕を抱きしめて言った。
「どこをどうしたらそういう発想になるんだ」
「だって…」
「だって、菊池が…」
「…菊池?」
「菊池がなんだ」
また眉を上げた智さんに…
僕は慌てて言った。
「あ、大丈夫!心配しないで?」
「僕らのことはアイツに言ってないよ?」
「は?」
「だから僕らがそういう関係だってことは…」
「んなもん言えばいいだろ、堂々と」
「実際俺らは付き合ってるし」
「なんの問題があるんだ」
「…それより菊池がどうしたんだよ」