大宮BL小説です。

閲覧ご注意ください。
























カボチャの被り物に…

オレンジ色のノースリーブの、フェルト地系のバルーンワンピ。

しかも足首まであるどでかいロングワンピで、前にはカボチャのお化けの目鼻口がついている。

襟元は葉っぱ?へた?もついてたりして…

足元のスリッパまでカボチャだった。


とりあえず僕は黒のロンTとスパッツを中に着て…
このワンピをかぶってみた。



まさに「カボチャ」

笑えるくらいの「カボチャ」

まさに歩く「ジャック・オー・ランタン」だった。




これなら去年散々浴びた気持ち悪い視線からは逃れられるだろう。

そのことに安堵する気持ちと…

これをみた智さんの表情が浮かんで…
また苦しくなる。


きっと気持ちが離れていく。
さらに遠くへ。

このカボチャでは追いきれない。


ジワっとまた涙が浮かんだ。







大きい組の子ども達を連れて商店街を歩く。

いく先々でカボチャ姿を笑われる。
でもみんなのその笑顔は、とても優しい。

こんな優しい笑顔をもらえるなんて幸せなことだ。


でも…

この先にある智さんの表情を考えると…

せっかくもらった幸せが消えていくようで…

僕はうまく笑えてる自信がなかった。





商店街の練り歩き終了後僕だけ園に戻り、菊池と一緒にゼロ歳児さんをお散歩カートに乗せ出発する。
 

園を出てすぐの角で園に帰ろうとする子ども達と鉢合わせになった。

 
もらったお菓子を得意そうに見せる子ども達の中から「こわかったー」の声が聞こえる。


「…え、こわかった?」


聞き返すと一番前にいた子が僕のエプロンをくいくい、と引っ張り言った。


「さとち、こわい」
「えんえん、ちた」