大宮BL小説です。

閲覧ご注意ください。

























帰りついてから智さんにLINEを入れた。


“今日は疲れてるので真っ直ぐ家に帰ります”
“ごめんなさい”


すぐに既読がついて、LINE電話が鳴った。


『…大丈夫か?』


そう問われたから平気なフリをする。


声を聞けて嬉しい。

でも苦しい。

僕は鼻声になりそうなのを必死に誤魔化しながら会話を続けた。


「明日ハロウィンだから…」
「子ども達とうちにも来るんだろ?」


「…はい、お菓子をいただきに伺います」


「…そうか…」


小さな沈黙。

まるで僕らの心に隙間が空いたみたいな…
そんなストン、と落ちた落とし穴みたいな沈黙を、必死の空元気で埋める。


「…じゃ、そろそろ寝ます!」

「明日は仮装もあるし…」
「お肌艶々で行かなくちゃなんで!!」


「…」


僕の空元気が空を切る。


息がしにくくて…
僕は慌てて「お休みなさい」と告げて、電話を切った。

そのまま布団に潜った僕。

次々と溢れる涙が枕を濡らした。







眠れたのか眠れてないのかよくわからないまま翌日を迎えた僕。


いろんなものが溜まりに溜まって重たくなった心と身体を引きずって出勤する。


すると園長から理事長が持ち込んだ紙袋が手渡された。


「なんなんスか、これーー!!」
「意味わかんないんスけどー!!」


僕より先に中身を見た菊池のどでかい声を園長が嗜める。


「ちょっと!菊池先生!!」
「そんな言い方しないの!」

「去年の二宮先生の様子をご覧になった理事長が、今年はこちらで…ってわざわざ持ってこられたのよ?」


「でも〜」
「ハロウィンのアイドルが〜😭」


「はいはい、もういいから」
「とにかくそれ着てね、二宮先生」


ぐだぐた言う菊池を連れ去りながら…
園長は小さく言った。


「ごめんね、二宮先生」

「好奇な視線に全然気づかなくて…」
「理事長が気づいて下さってよかったわ」


ウインクしながら去って行った園長に、頭を下げつつも…

オレンジ色の衣装を引っ張りだす。



それは…
まさに「カボチャ」だった。