大宮BL小説です。
閲覧ご注意ください。
「…え〜、またですかー」
菊池が落胆の声をあげる。
「そう、今年も魔女よ、保育士は」
「…今年も爆笑間違いナシね、菊池先生」
「え〜、ウケてたの園長だけですからねー?!」
「子どもらは“似合わない”だの“可愛くない”だの“気持ち悪い”だの、まー言いたい放題だし」
「大人は失笑かドン引きの二択」
「ホント毎年地獄ッス〜」
菊池の言葉に何かを思い出したのだろう。
園長は豪快に笑い、菊池の背中をバシバシと叩いた。
「それに比べて二宮先輩は…」
「ハロウィンのアイドルッスからね…」
「そうそう!」
「二宮くんは可愛いのよね〜♡」
突然僕に話題が向いてギョッとしつつ…
ここ数年のハロウィンが頭をよぎった。
思わずため息が漏れる。
毎年着る魔女の衣装。
「かわいー♡」「似合うー!」
そんな…
子ども達や同僚達の歓声までは、いいんだけど。
お菓子をもらいに子ども達を連れて行く商店街やらではさ?
やたらと視線が刺さって…
恥ずかしさを通り越して、ちょっと怖いくらいで…
お迎えの時のお父さん連中の視線も…
なんかちょっと、気持ち悪いし。
自意識過剰だって、よくわかってんだけどさ?
なんかちょっと…
晒し者になってるみたいで。
正直、嫌なんだよな…
「…いります?仮装…」
僕の声色に、やる気のなさを感じたのだろう。
菊池が慌てて言った。
「何言ってんスか!」
「俺はともかく…」
「センパイはいりますよ〜!」
「センパイの魔女姿、毎年の目玉なんスから〜!」
「…」
「ホント、マジで可愛いッス!」
「…」
「褒めてんスからちょっとは喜んでくださいよー!」
「…おまえに褒められても嬉しくない…」