大宮BL小説です。
閲覧ご注意ください。
どうしようもなく相手を求める気持ちを、お互いの身体にぶつけた僕ら。
満足…とまではいかないけれど。
やっと普通に呼吸ができるくらいに、心も身体も落ち着き。
ただただお互いの肌を合わせたまま、横たわっていた。
「寸歩不離…」
小さく聞こえた愛しい人の声に、僕は思わず顔を上げた。
寝言…?
そっと見上げる。
智さんは僕を見ていた。
「…和也」
僕を呼ぶ声が儚く響く。
智さんは、絞り出すように言った。
「俺は…」
「やっぱり、俺は」
「おまえと…」
「…寸歩不離、が、いい…」
そう言って…
智さんは僕をぎゅーっと抱きしめた。
「…わかってる、俺のわがままだって」
「おまえにはおまえの家があって…」
「おまえだけの世界があるってことも」
「帰ってやんなきゃなんねーことや…」
「やりてーことがあるってことも」
「おまえだけの世界には…」
「俺なんかいらねーし」
「いちゃいけないってことも…」
「よくわかってる」
智さんの言葉が理解できない。
智さんは、何を言っているんだろう。
僕だけの世界って…
「でも…」
腕の力は緩まない。
智さんは僕の耳だけに囁いた。
「それでも俺は…」
「それがわかってても、俺は…」
「おまえと…」
「一緒に、いたい」
智さんは、特殊能力の持ち主なのかもしれない。
こうしてひっついてるから…
僕の心を覗き見することができて。
僕が喜ぶ言葉を並べているのかもしれない。
…いや、いやいや…
ひょっとすると…
智さんは神様で。
僕の一番の願いを叶えてくれようとしてるのかも…
そんな馬鹿げた考えが次々と浮かぶ。
「俺は…」
「おまえと一緒に暮らしたい」
「…そう思ってる」
「休みも合わねーし…」
「かなり頑張んなきゃ会えねー今の状況を…」
「拠点を同じにすることで変えたい」
「少しでも一緒にいる時間を増やしたい」
「…おまえはどうだ?」
「…どう、思う?」
ふわふわしすぎて…
夢の中の出来事みたいで。
僕は、智さんの提案を…
ただ、ぼんやりと、聞いていた。
「……それは、ナシか?」