大宮BL小説です。
閲覧ご注意ください。
「…送っていく」
「家はどこだ?」
「あ、駅までで大丈夫です//」
「僕の家、結構遠いので」
「なら尚更だ」
「こんな雨が続けば電車が止まる可能性も充分ある」
確かに…
ここら辺では雨がひどかったり、風が強かったりするとすぐに電車が臨時運休になってしまう。
その度にいつも僕は困り果てるんだけど…
「でも…」
「お仕事中ですよね?」
作業着姿の智さんに問いかける。
「今日は仕事じゃねぇ」
「じいちゃんに呼びつけられてただけだから」
「え、理事長に?」
「なら余計ご迷惑では…」
「いや、要件はわかってるし」
「どうせこの雨じゃ無理だから」
「…いいんでしょうか」
「お言葉に甘えても」
「いい」
「別に甘えるってほど大層なことでもねぇから」
「…ありがとうございます」
急な雨がくれた…
智さんと過ごす時間。
サイドブレーキをもどした智さんの横顔に、僕はお礼を言った。
「理事長とのお約束って…」
「あ、ああ…」
智さんはハンドルを握りながら僕の問いに答えた。
「じいちゃんの山に竹をとりに行くつもりだった」
「竹…?」
「あ、もうすぐ七夕ですものね」
「毎年の恒例行事だからな」
七夕か…
通りで最近暑いわけだ…
そう言われてみれば…
僕の頭の中に、智さんの短冊が浮かぶ。
美しい字体と、いつもの四文字熟語に…
プッと吹き出した。