大宮BL小説です。
閲覧ご注意ください。
先にこちらをお読みください♡(和也サイド)
俺の腕の中で…
和が寝息をたてている。
愛し合って落ちた愛しい人を…
背中から優しく抱き込む。
俺はふと…
さっきの出来事を思い返していた。
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智「…手、出して?」
そう言って…
和の指に嵌めた指輪。
俺が口付けた指輪に…
和も唇を寄せた。
何かを願い、誓うように。
瞳を閉じて、キスをする。
多分俺と、思いは一緒。
『永遠に……二人で……』
その姿を見ていたら…
俺も自分の指輪に誓いたくなった。
智「…で、俺の指輪は?」
が…
指輪を差し出すわけでなく…
上目遣いに俺を見る和。
謎の沈黙の後…
和は小さく呟いた。
和「…うまくできなかった」
智「…」
和「智みたいに…」
「こんな綺麗に…」
「できなかった、から…」
智「…だからなんや」
和「…」
ゆっくりと落ちた視線。
きゅっと握られた右手。
俺の指輪は、そん中か…
智「…ええからよこせ」
掌を差し出す。
でも動かない和。
だから俺は…
素早くその拳を取って。
和の温もりに包まれた指輪を、奪った。
ルームライトにかざす。
確かに…
少し歪んでいるかもしれないが。
俺が作った指輪以上に…
それはキラキラと輝いていて。
和がいかに丁寧に…
気持ちを込めて削ったかということが、はっきりとわかる出来栄えだった。
智「…一応、聞くけど」
「これは、俺の指輪でいいんよな?」
和「…アホなこと言わんといて」
「智以外に誰がいるん」
「…永遠を誓いたい相手なんか」
「…智しかいない」
俺のために作られた指輪。
愛しい人の手で、作られた…
愛のシルシを。
俺は、素早く自分の左手の薬指に嵌めた。
その指輪は…
もうずっと何年も、この指に嵌っていたかのように。
ぴったりと、指に馴染んだ。
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散々愛しあって寝落ちた和の左手を…
そっと確認する。
俺の指輪が嵌っている。
自分の左手を重ねる。
本当に…
いろんなことがあった。
何度も何度も大きな壁に、ぶち当たってきた。
でも…
俺達は諦めなかった。
お互いのことを。
だからこそ、こうして…
和のお父さんから受け継いだナットの指輪を…
お互いの指に嵌める、今日という日が訪れたのだ。
急に込み上げる。
和の首筋に顔を埋める。
グッと歯を食い縛って、嗚咽を堪えた。
一番、望んでいた未来。
それが、今。
そして、今日からまた…
俺達は、始まっていくんだ。
俺は…
一番大切なものを手に入れた喜びを…
一人、深く噛み締めていた。
*次回はこの後11時26分、和子ん家です!
