大宮BL小説です。
閲覧ご注意ください。
先にこちらをお読みください♡(和也サイド)
誰にもわかってもらえなくてもいい。
誰にも理解されなくても…
そう思ってたはずなのに。
親方だけじゃなく、奥さんや兄弟子達まで…
「めでたい」「めでたい」と…
次から次へと酒を注いでくれて。
俺らしくもなく…
テンションが上がってしまった。
奥さん「智がこの人!って思う人と…」
「幸せになれるなら」
「それが一番!!」
そういうて…
奥さんは、俺の背中をどーん!と叩いた。
奥さん「幸せにしてあげやなあかんで!」
すごい力で叩かれたから…
一瞬よろけたけど。
俺は、姿勢を正して言った。
智「もちろんです」
「俺が幸せにしてもらってる分…」
「俺も、あいつを幸せにします」
ひゅー、ひゅーと…
冷やかしの声が、盛大に降ってくる。
なんか…
高野山の現場を思い出す。
あん時も…
散々冷やかされたよな…
理解ある職場に恵まれた事に、大きな喜びを感じる。
祝ってもらえる事が素直に嬉しい。
和にもこの気持ちを教えてやりたい。
必ずここへ和を連れてこよう。
俺は…
そんな事を思いながら。
祝杯を拒む事なく受け入れ続けた。
和「…大ちゃん、起きてる?」
愛しい人の声がする。
俺は…
閉じかけた瞼を、ゴシゴシと擦って…
声の方を見た。
心配顔の和…
と…
鬼の形相の、母ちゃん…?
あれ?
俺…
なに、してたっけ…?
親方んとこ来て…
和とのこと報告して…
で…
祝酒かっくらって…
母ちゃんの顔が怖すぎて…
俺は和の腰に巻き付いて、寝たふりをする。
バシッと、後ろ頭を母ちゃんに叩かれる。
でもすぐに、和の柔らかい手が…
同じところを撫でた。
甘い匂い。
安心する。
好きや、ここが一番。
こここそ、俺の居場所や…
そんなことをぶつぶつ呟きながら…
グリグリと顔をこすりつけてるうちに…
俺の意識は、ぷっつりと途絶えた。
ドサッと…倒れ込む感覚で、意識がもどる。
でも俺の身体は、まるで…
雲の上に降りたったような。
深い深い海の底にたどりついたかのような。
フワフワとしたままだ。
ゆっくりと目を開けると、そこには和の瞳。
トントン…と…
背中に刻まれるリズムが…
優しいはずなのに、それは…
どこか俺の雄を呼び覚ます。
和の気配、温もり、匂い、感触…
全てに欲情する。
俺はそのまま…
和に襲いかかった。
ひとしきり和と快楽の海を泳いだ俺は堕ちて…
意識が戻ったのは夜中だった。
二人して母ちゃんの握り飯を食べる。
聞けば十三のアパート周辺は冠水して大変やったらしい。
その話を聞いて、肝が冷えた。
いい調子でどんちゃん騒ぎしてる間に…
和に危険が迫っていたかもしれない。
たまたま何もなかったからよかったようなものの…
酒はほどほどにせなあかん。
俺は「無事でよかった…」と和を抱き寄せた。
親方に俺たち二人の話をしたことを、和に話す。
和は…
一瞬顔をこわばらせたが。
祝杯をあげてたことを知ると…
顔をくしゃくしゃにして喜んだ。
何度も拭うのに…
次々と流れる涙。
泣きながら笑う顔が、愛しい。
俺は…
涙を拭い続ける和の手に自分の手を重ねて…
同じように涙を拭った。
智「…でな?物件やねんけどな?」
ベッドでゴロゴロしながら…
俺は和にたくさんのキスを降らせつつ、さっき親方としていた話を和にした。
智「中崎町に、古い家があって…」
「そこを耐震補強してリノベーションしたらどうかって、親方が言うてくれてるねん」
「ほら、中崎町ならさ?」
「十三まで自転車で行けるし」
「和も通勤楽になるやろ?」
「親方の息子さん、設計士してるから…耐震改修設計?もできんねんて」
「そこだけお願いしてさ…」
「あとは俺達で、住みたい家、作ってみよか?」
和は…
俺のその提案に…
大きく大きく、頷いて。
俺の顔に、キスの雨を降らせた。
*次回はこの後11時26分、和子ん家です!
