「犬はもう死んでるやろな」
近くで誰かが言いました。
「早く会わせて、抱っこさせて」
私はそれしか考えてなかった。
すっかり日が暮れて
人も少なくなってました。
鎮火したと聞かされて
「犬は?犬は?どこにいました?」
と聞いたら
「テーブルの下で亡くなってました」
と言われました。
私は走って家の中に入り
消火の水でビショビショで
冷たく固まった愛犬を抱っこしに行きました。
「ごめん、ごめん、怖かったやろ?熱かったやろ?苦しかったやろ?ごめんな、ごめんな。ごめんな。ママが悪い。」
目を開いたまま
苦しそうな顔をしていました。
床にはくっきり
横たわった形がついてました。
息ができなくなるぐらい
泣きました。
家もいらん。服もいらん。何もいらん。
生き返らせて。
電気もガスも安全のために切られてたので
親戚が貸してくれた懐中電灯で
ススだらけになった水浸しの家の中を
見て回りました。
お気に入りの時計も
買ったばかりの冷蔵庫とテレビも
グニャグニャになってた。
煙の匂いと
焦げた匂いの中
愛犬を毛布にくるんで
とにかく今晩どこで寝るかを
考えました。
そうしてる間も
近所の人たちが心配して差し入れを
次から次へ
持ってきてくれました。
中に入るまでの間も
友達が、ずっとそばにいてくれました。
当時私は
夫と別居中でした。
駆けつけた夫に
「ごめんなさい、ごめんなさい、お仏壇燃やしてしまってごめんなさい。」
「しっかり家を守れなくてごめんなさい」
「愛犬を、殺してしまってごめんなさい」
とにかく謝った。
「お前は悪くない」
「無事でよかった」
そう言ってくれました。
妹や、友達が泊まりにおいでと言ってくれたけど
近くに住む叔父の家に
お世話になる事にしました。
12月5日
心臓が、バクバクしたまんま。
「近所に謝りに回らなあかん」
「住むところ探さなあかん」
「愛犬の供養しに行きたい」
「学校に連絡しなあかん」
「長女に報告しなあかん」
「でも全国大会前に気持ち乱したらあかん」
あれもやらな、これもやらな、
どうしよう、どよしよう、どうしよう…
叔父の家で、ご飯を食べさせてもらい
お風呂に入らせてもらい
あったかい布団で寝させてもらいました。
ほんと、ありがたい。
たぶん、みんなに見捨てられるな。
こんな嫁いらんやろうし
愛想つかされるだろう。
もう別居も長いし
離婚の時が来たのかな。
こんな事する友達いらんやろうな
近所にも嫌われて
もう、引越ししなあかんな。
私の大好きな人たち
みんな去っていくだろうな。
私の頭はこんな感じでした。
つづく♡
今はすっかり元気ですので^ ^
心の勉強して
すべては自分でしかけた
壮大なコントだとわかったので。
愛犬を思うと
書いてて苦しくなるけれど
鮮明に思い出す事を避けてたけれど
今書きたくなったのでタイミングが来たのかなと
思い書いています。
読んでくれてありがとう。