色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年/村上 春樹
¥1,836
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「1Q84」以来の村上作品。

発売当初の評判があまり良くなかったけれど、

その内容が「村上作品としてはわかりやすい」という

ものだったので、ハルキストではない私はとても

期待してました。



―あらすじ―

36歳の多崎つくるは、大学1年のときに正五角形の

ように過不足のない完璧な共同体であったはずの

友人4人から突然絶縁される。

そのことで死に限りなく近づいた半年を境に、つくる

は変わる。

現在のガールフレンドに心の問題を指摘され、記憶

の蓋を開くべく4人に会いに行く―



つくるは重い過去を背負っているのに、とてもフラット

だ。

この乾いた感じがとても好ましい。それはもしかしたら

つくるが自分には何もなく、「空っぽ」だと思っているから

かも。

(いや、村上作品の特徴か??)


しかしそう思っているのはつくるだけで、周りは決して

つくるを空っぽだとは思っていない。

駅舎建築という目的にむかって、まっすぐだし。

(結果的に、それが完璧な共同体であった5人を

解散させる遠因になっていたとしても)


「限定された目的は人生を簡潔にする」

本当にそうだと思う。

目的を持っているつくるは、強い。



色彩を持つ灰田を含む、つくるの友人たち。

灰田はとても象徴的に描かれていたと思う。



本は結局受け取り方次第だと思うが(当たり前)

この本は私にとても多くのことを授けてくれている。


フィンランド人ではなくても、警句はこの本の

中にたくさんある。


落ち込んだときは、つくるが死の間際をさまよう

シーン。

旅に出たときは、フィンランドにエリを訪ねる

シーン。


どこから読んでも私に何かをくれる予感がする。


珍しく、購入した本となった。




★★★★