恋歌/朝井 まかて
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初見の作家さんだが、直木賞受賞作品ということで手に取る。



歌塾「萩の舎」の主宰中島歌子のかつての門下生・花圃は、元女中の澄とともに歌子の入院中に歌子の文箱を整理していある書きつけを見つける。その書きつけには歌子の壮絶な半生が描かれていた-


あらすじのここまでを思いついてから、感想文にするまでに2日ほど要した。

なぜなら、自分の知識の浅さや生き方の薄さなどに打ちのめされていたから・・・・かもしれないし、この本の感想文をうまくかけないという苦悩からだったのかもしれない。

とにかく2日ほどこの本のことを主に考えて過ごしていたと思う。それほど私には衝撃的な本であった。


幕末の水戸藩でこのような内乱が起こっていたとは知らなかった。長州や薩摩のことばかりを知って、それで知ったふうな気持ちになっていた。ある意味では逆賊の汚名を長年着せられていた、会津よりも酷いことが行われていたのではないだろうか。

なんせ内乱なのだ。同じ藩の者同士で殺しあったのだ。しかも、武士だけではなく女子供まで―

「天狗党の乱」という名前は聞いたことがあったけれど、こんな地で血で血を洗う抗争だったとは。

天狗党と対立しあう諸生党は、お互いの足を引っ張る機会を狙っていた。

そして天狗党の乱でそのきっかけをつかんだ諸生党は、天狗党の一族までも粛清し、過酷な牢生活を強いる。

水戸藩の武士の妻となった歌子も、その騒動に巻き込まれ牢での生活となる。

牢での日々は「いつ自分が斬首されるのか」という恐怖との戦い。上士の家族から次々と斬首されていく様子が描かれる。


その恨みが慶喜公によって諸生党がおいやられたときに、今度は逆に生き残った天狗党の者が諸生党の女子供までも粛清していく。恨み・復讐の連鎖。

歌子も最愛の夫を失うことになる。


『君にこそ恋しきふしは習ひつれ さらば忘るることもをしへよ』

せつない歌だ。


歌子が選んだ道とは??



あー。やっぱりうまく書けない・・・

水戸藩はこの抗争で2000人もの藩士を失い、ために明治政府に有為な人材を送り込むことができなかったのだ。

やりきれない・・・


この作家は市井の人を書く時代小説が得意だとのこと。また読んでみたい。



★★★★☆