- 櫛挽道守/木内 昇
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初見の作者であったが・・・・お、面白かった・・・・
幕末の時代、木曽の藪原宿に住む登瀬はお六櫛の№1櫛挽である吾助の娘。
女が櫛を挽くなどということが考えられないこの時代、登瀬は父の櫛に魅せられて櫛挽の道を進む。しかし偏見(家族からも)や、この時代の常識に縛られて道は険しい。
12歳で亡くなった弟直助の絵草子の行方、直助とともにそれを売っていた源次と登瀬の関係、天性の才能で後に登瀬の婿となる実幸との出会い。そして師匠である父吾助の櫛挽へのゆるぎない姿勢。それらによって物語は進んでいく。
登瀬が櫛挽の道を選ぶことによって、バラバラになった家が登瀬と実幸の櫛挽の「拍子」によってまた一つになる-。
吾助の「自分の技ではなく、先代・先々代から受け継いだものを自分が今借りている。」という言葉が重い。吾助の技は、登瀬へとまた受け継がれる。
だからこそ、この題名なのか。「櫛挽の道を守る者」。なるほどと納得させられた。
幕末という動乱の時代を源次という視点から描きつつ、櫛挽の道の変わらなさを述べる。
動と静の対比も見事だった。
★★★★★