東京自叙伝/奥泉 光
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この作家さん、初読みです。

図書館でとても印象的な背表紙だったのと、谷崎潤一郎賞を受賞したとのことで

興味がありました。


表紙の鼠。読後に意味がわかりました・・・・

明治維新から福島第一原発事故にいたるまでの、東京の記憶を「地霊」という形

で語っています。

この地霊ってのは便利なようですね~。時には鼠になり、鹿になり、地面の下のモグラ

になり、猫になり。そしてもちろん人間になり、その人間が東京で経験したことを、地霊

の身という第3者の眼からみている。

その形がおもしろい・・・・のでしょうね。


話し言葉と書き言葉が混在する文章に私はまず戸惑い、そのせいでなかなかに入り込めず

最終的には入り込めないままに終わってしまった感があります。

人間の地霊が、あまりに「クズ」的な人間だったからでしょうかね・・・

そしてなんでも「地霊」である私がやった、という自慢にもとれることが鼻につく。


うーん、私は天邪鬼なのかこれはちょっくら受け付けませんでした。


ただ、地霊は鼠のようにさまざまな人間となり、これは鼠人間というのですがこれらは

同じ意見をわーわーといい、同じことを考え、異なるものを憎む。必要以上に憎む。

この考えは、現在のネット社会の過剰な反応を考えると、感慨深いものがありました。


★★☆