(①の続き)

無心に鍋をかき混ぜていた私は、その後
サラダや汁物を高台にひたすら運び
夕食の準備を整えた。

まだ外は割と明るかった記憶がある。

でも、やたらと虫が多かった。
とにかく四方八方に、ぶんぶんいる感じ。
虫除けなど無かった。
カレー皿めがけて飛んでくる・・!

虫と格闘しながらの夕飯を済ませ、
飯盒炊飯の後片付けをし、キャンプ場へ。


到着して初めて聞いた。
ここは霊が出るらしい・・・

困った。
怖くてテントから出たくなくなったのだ。

結局その晩、私の班は皆、恐怖でトイレにも行かず寝てしまった。

夜中じゅう、見回りの教師の足音なのか
それとも人ではない「なにか」の音なのかが、テントの周りで、ザッ、ザッ、ザッ・・・と響いていた。


早朝。
山の夜特有の寒さと、妙な足音で
完全に寝不足だったが、下山開始になった。

途中、見晴らしの良い場所で昼食を摂ることに。

「・・・!?」
愕然とした。
皆の手に、何やらおにぎりらしきものがあるではないか!
そこで気付いた。
自分の班は昨夜、晩ごはんを作ることに夢中で、
翌日のおにぎりを握っておくことを、すっかり全員忘れていたのだ。

後悔しても遅かった。
私は仲間たちと配られたヤクルトを
無言でちびちびとすすった。

・~・~・~・

今思い出しても、やっぱり色んな意味で
山は異界だ。
なにが起こるか想像もつかない。

(終)