香港の経済は最大限の自由が担保される市場経済都市であるが,中国政府は、香港の「高度な自治」を無視して,香港への「国家安全法」の導入を決定した。自由を知っている香港人は,共産党一党独裁に拒否反応を示すだろうが,香港の自由に不公平感を持つ中国大陸の多くの中国人は、中国政府の決定に快哉を叫んでいるに違いない。
香港を見ていると,戦国時代に町衆が自治していた堺が思い起こされる。堺は,南蛮貿易や鉄砲生産などに目を付けた織田信長や豊臣秀吉らに自治権は奪われたが,江戸人にとっては憧れの街だった。香港の「高度な自治」が奪われたとしても,香港は,自由の都として,中国人の憧れの街であり続けるだろう。
私の手元に,薩摩藩士が所持していたと考えられる二丁の鉄砲がある。
一番上が,全長150センチの狭間筒 堺の鉄砲鍛冶,田中善五郎の作
次が,全長146センチの狭間筒堺の鉄砲鍛冶,松本(錆付きにより名前は不明)の作
一番下が大きさ比較用の仙台筒全長118センチ
いずれも長距離狙撃用の狭間筒と呼ばれる火縄銃である。銃身に刻まれた銘は,いずれも堺の鉄砲鍛冶だし,銃口の外形は典型的なラッキョウ型で典型的な堺鉄砲の姿をしている。しかし,両方とも薩摩の鉄砲独特のネジ式の火皿になっており,銃身と火皿が脱着できるようになっている。
しかも堺で作られた銃身を薩摩に持ち帰り,薩摩で機関部や銃床を作成し完成させと思われるのだ。これはまれな例であるが,堺鉄砲は,日本の西南端の薩摩の国で薩摩の鉄砲と融合して新しい形を生み出したと言えるだろう。
優秀な製品がそうであるように,香港の高度な自治と自由は,中国本土全体に伝播し,大きな変化をもたらすことを,私としては,期待している。

