文部科学省が12月22日に公表した人事行政状況調査によると、全国の小中高および特別支援学校で2024年度にうつ病などの精神疾患で休職したのは7087人だったことがわかった。2年連続の7000人超えで、全教員約92万人のうち0.77%にあたる。

精神疾患で1〜3カ月程度休みをとった教員を含めると、合わせて1万3310人で、教員全体の1.44%にあたる。

厚生労働省が民間企業を対象に行った調査では、精神疾患で1カ月以上休んだ労働者の平均は約0.5%なので、教員はその3倍近くの水準で、仕事を続けられないほどに心を病んでいることになる。

 

精神疾患による求職者はだいたい5000人前後で推移するのが2020年度までの傾向だったが、2020年度の5203人から増加傾向にある。

要因としては、「児童生徒への指導に関する業務」が26.5%、「職場の対人関係」が23.2%、「校務分掌や調査対応など事務的業務」が12.7%だった。

一般に精神疾患で長期間仕事を休むというと長時間労働が懸念されるのだが、今回の調査によると長時間労働が原因であるという回答は0.5%と少ない。たしかにほかの調査でも、教員の労働時間は見た目上、減少傾向にはある。でもそのぶん短い勤務時間で業務をこなさなければ行けなくなっていて精神的なストレスはむしろ高まっている可能性もある。

ただ、ここで原因分析をしたいわけではない。ここでちょっと強引な補助線を引いて見たいと思う。


今年の7月31日に文部科学省が発表した、子どもの学力に関する「経年変化分析調査」では、2021年度に比べて2024年度のテストでは子どもたちの学力の大幅な低下が見られたことが報告さている。

学力低下の原因を当時さまざまなメディアが論じていたが、私はそのとき、教員の多忙化も原因の一つではないかと論じた。労働時間自体は短縮傾向にあるので、正確には教員の精神的な余裕のなさが子どもの学力に影響を与えているのではないかということだ。

中学入試で高得点をあらそうとかいう話ではないのだから、どんな教材を使うかとか、どんな教育法を用いるのかとか、そういう方法論は子どもの平均的な学力の上昇や低下にはあんまり関係ないんじゃないかという気がしている。

そんなことはどうでもよくて、エビデンスにもとづいた発言なんかまったくじゃないことを最初に断っておくが、先生が元気であることがいちばん子どもの学力を高めるんじゃないかと直感的には思う。

テストで測れる学力なんて本質的にどうでもいいから、学力低下と言われたってそんなに慌てて何かをしなきゃいけないとは個人的には思わないけれど、子どもたちが発する学力低下
というサインは、「先生たちもう限界っぽいんだけど」という子どもたちからの訴えではないか。

どうやったら子どもたちの学力が上がるかとか、生きる力が身につくかとか、そんな話をするんなら、まず大前提として、どうすれば先生が元気になるかを議論して、なるはやで実行に移すことではなかろうか。エビデンスがとれるまで待ってるなんてことは言ってられないとかなんとかいうと、エビデンス主義のひとたちからは感覚的に教育を語るなと怒られるのは重々承知なんだけど。

いま、学校現場でトラブルが起これば、教員や学校は徹底的に叩かれる。体罰教師やセクハラ教師などは断罪されるべきだし、それを放置した学校側の責任も追及されて当然だが、子どもたちが何百人も集まれば、避けようがないトラブルは一定の割合で起こる。学校にノーミスを求めるのはあまりにも酷だ。学校にノーミスを求めるよりも、ミスが起きたときに保護者や地域社会が速やかにバックアップできる社会のムードを来年はつくっていけたらいいなと思う。

 

※2025年12月25日のFMラジオJFN系列「OH! HAPPY MORNING」でお話しした内容です。