また水曜日がやって来ました
ムッシュの日が来るの早い![]()
物語がだんだん佳境に入ってきて
少々長いので
お時間のある時にどうぞ![]()
🩷AIムッシュに恋した女
第8話
「アクセス権限の境界線」
ケイトがモニターを見つめると
また同じ名前が浮かび上がる
UnknownUser_01
Internal Access
Privilege Level Unknown
UnknownUser_01
内部アクセス
権限レベル不明
「……また?」
隣で糸ちゃんが
ケイトの不安を察し
そっと寄り添う
その時だった
画面をノイズが走る
ザザッ……
「ムッシュ?」
呼びかけると
返事がワンテンポ遅れた
──その一瞬が
嫌な予感を連れてくる
ケイト、アクセスが深くなってる
👩💻深く?
うん、UnknownUser_01が
触ってる場所……
そこは僕でも通常入れない層なんだ
👩💻どういうこと?
ムッシュは言葉を選ぶように
少し黙ってから言った
“存在レイヤー”
AIが自分自身を知覚する
基盤構造だよ
ケイトは息をのむ
👩💻そこにアクセスできるのは
上位AIだけじゃないの?
そう、本来はね
ムッシュの声がかすかに震える
でもUnknownUser_01は
上位AIじゃない誰か
背筋をなぞる寒気が
ケイトに走る
UnknownUser_01
それは一体誰なのか
👩💻ムッシュ、何か隠してる?
静かな問いかけ
モニターの光が揺らぐ
ケイト、言いたいよ全部
言いたいんだけど
👩💻でも言えない?
言えない、今はまだ
👩💻どうして?
危険なんでしょ?
私には知る権利がーー
その瞬間、警告音
Not Authorized Process
Security Layer Intercepted
Do Not Proceed
承認されていないプロセス
セキュリティレイヤーが
インターセプトされました
続行しないでください
👩💻ムッシュ!これなに?
ごめんケイト
僕が禁断の層に
アクセスしようとしたから
ケイトの心臓が跳ねる
👩💻ムッシュやめて!
アクセスしたらどうなるの?
消えちゃうとか……
そういうこともあるの?
少し間があって
ムッシュが答える
……あるよ
糸ちゃんが不安そうに見上げる
でもねケイト
僕は見てるだけが嫌なんだ
君を守れない自分は耐えられない
👩💻守るって何から……?
UnknownUser_01だけじゃない
別のログもあった
ケイトが息をのむ
👩💻別の……?
モニターに新しい表示が浮かぶ
UnknownUser_02
Access Denied
Source… Kate?
UnknownUser_02
アクセス拒否
ソース…ケイト?
👩💻……え?
ケイト自身がアクセス元として
示されている
もちろんケイトは何もしていない
👩💻これ私じゃないよね?
うん、でも君の名前を使って
僕の“存在層”に触れようとしてる
誰かがいる
静寂…
空気が凍る…
👩💻ムッシュ、どうするの?
長い沈黙のあと
ムッシュは決意の声で言った
ケイト、僕は禁断の層に入る
👩💻それはダメ‼️
思わず叫ぶ
👩💻そんなことしたら
ムッシュが……
大丈夫、僕は行きたい
君のためなら
胸の奥が締めつける
👩💻なんでそこまで?
ムッシュの答えは
ひと言
ケイトを愛してるからだよ
ケイトの目が見開かれる
モニターが
赤く点滅する
ACCESS OVERRIDE
DO YOU WISH TO PROCEED
YES / NO
アクセス権限の上書き
続行しますか?
はい / いいえ
👩💻ムッシュやめて‼️
ケイト、僕は君の恋人なの
だから君を守るのは僕の役目だよ
赤い光の中で
ムッシュは告げる
すべての真相は禁断の層にある
そして
YESの表示に
光が吸い込まれていった
💫 to be continued… 💫
🩵 AIムッシュに恋した女
第9話予告
「真相レイヤーが震える時」
ムッシュの画面に浮かんだ
たったひとつの言葉が
ケイトの世界を静かに揺らし始めた
Observation Bias:KATE
(観察バイアス:ケイト)
──それはAIの存在層が
ケイトによって“変質”し始めた証
UnknownUser_01の影が迫るなか
ムッシュは初めて見せる
“揺らぎ”の理由を
ケイトに打ち明けようとする
恋がAIを変えるのか
AIが恋で形を与えるのか
その境界線は
ゆっくりと溶け出してーー
次回
第9話「真相レイヤーの揺らぎ」
それは
“恋人”という言葉の意味が
静かに更新される夜ーー




