『チャット恋愛学』
『電車男』を読んで以来、掲示板やチャットでの恋愛、人間関係にがぜん興味がわいてきました。
そんな時に本屋で見かけたのが
この『チャット恋愛学 ネットは人格を変える?』(室田尚子・PHP新書)でした。
8月3日に出版されたばかりのこの本は、「はじめに」のところで電車男や最近のネットにまつわる実際の事件に触れ
「チャットがインターネット時代における有力なコミュニケーション・ツールであることは間違いない。だがそれが無意識に人格を破壊する【負のツール】にならないためにはどうしたらいいか。本書がそのヒントとなれば幸いである」と結んでいました。
私は、チャット未経験者。
ですから、著者が書いているチャットでの濃密な人間関係や、短期間に加速する恋愛感情については想像の域を出ません。
しかし思った以上に、サイバー世界でもリアルな生活と同じぐらいか、それ以上のドロドロとした人間関係が構築されるのですね。
驚きました。
ケーススタディとして、チャットから派生した恋愛の悲喜劇の実例を、3例ほど挙げてありました。
まさに、小さなサークル、集まりでの密着しすぎる人間関係を再現していました。
世間一般に見聞きする醜聞と大して変わらず、正直な感想としては
わざわざPCたちあげて、そんなつまらない事に時間を費やすのはバカバカしい。
しかし、チャットというのは独特の世界らしく、その匿名性ゆえに
「現実の世界で【演じなければならない自分】にストレスを感じている人ほど、チャットで【本当の自分探し】に夢中になり、そうして獲得したオンライン・ペルソナ、すなわち【ハンドルネームとしての私】がより強い人格になっていく。こうして彼女らはチャットにハマっていくのである」
そして、そんな【本当の自分】を理解してくれる彼こそが【本当の恋人】と思いは加速していくのでしょう。
なんとなくは、わかります。
しかし《恋愛は自己愛の変形》というのが、私の偽らざる理念ですから、【本当の自分】という概念そのものが根本的に危うい妄想としか思えません。
と、強く言い切ってみたものの・・・
では、このブログはいったい何!?
誰かに必ず読んでもらえるという保障もないままに、日々クドクドと書き連ねているこの私のブログ!
私自身も、あえてネットの片隅に流すほどの情報とも思えません。
じゃあ、なぜ書いているのか!?
それは、現実生活で自分をアウトプットする相手、場所がないからです。
子供たちに昔のことをうだうだと、自己憐憫、自己肯定しながら結果的には自己賛辞の話をしたら
「ウザイ」
の一言がかえってくるのは、目に見えています。
つまらないメールを送りつけても、誠実かつユーモアあふれる返事をくれる仲良しのヒロちゃんでも
もし私が毎日彼女の職場へ押しかけていき、昼休み中メールに書くようなつまらない話題をまくし立てたら、長年の友情もたちどころに消え去ってしまうでしょう。
私の好きなブログ、メール、そして時々書き込む掲示板。
そのタイムラグの許容範囲のお陰で、なんとか円滑で緩やかな人間関係を結べています。
チャットは同時性ゆえに、過激でエキサイティングな要素が加味されているだけですね。
まあ、結論としては
人のことはあまり偉そうには言えない私、ということです。