次にふたりが会えたのは、春めいてきた3月最初の月曜日

「すみません、学生課に寄ってたら遅くなっちゃって」

今日はバイトが休みのちひろを、大学近くのコインパーキングまで周の車が迎えに来ていた

「いいから乗って」

ちひろが助手席に座った瞬間

彼はまわりの視線を気にもせず、深く唇を重ねてきた

「んっ!ちょっと、水上さ…」

夕陽が差し込む車内は熱を帯び、妖しい空気で満たされていく

「ごめん、久しぶりだから我慢できなくて」

唇を離し、片手で顔を覆った周が照れくさそうにつぶやいた

「我慢してください、子どもじゃないんだから」

言葉とは裏腹に、嬉しさを隠しきれないちひろの口調は柔らかい

「続きはあとで、な」

車中ですら、そんな調子なのだから

ホテルの部屋に入るなり周はジャケットを椅子に放り投げると、甘い花の香りに誘われて

「あっ…」

春らしいブラウスとスカート姿のちひろを、そのままベッドの上へと押し倒す

派手なリップ音を立てながら首筋やデコルテに吸いついて、忙しなく胸元のボタンを外しにかかる

「待って、シャワーは?」

午後の数時間、学校で過ごしたちひろは先に身体を洗いたかったが

「待てない」

周は耳朶を甘噛みしながらささやくと、あらわになった彼女の下着を見てごくりと唾を飲み込んだ

「へえ、今日はずいぶん色っぽいのつけてるね」

ピンクのベビードールはレースの模様になっていて、そのほとんどが透けていた

薄紅色の胸の頂も、はっきりとその存在が見えている

「それは、あのっ…」  

もちろん、ちひろは普段こんなものは身に着けない

周に少しでも喜んで欲しくて買ったのに、いざそんな風に言われるとひどく淫らな気がして恥ずかしい

「俺のためでしょ?すごく可愛いよ」

薄い生地の上から柔らかい膨らみに舌を這わせ、しばらく焦らしたあとで硬くなった果実を口に含んで吸い上げる

もう片方の頂も指先で摘んだり押しつぶしたりしてやると、部屋いっぱいにちひろの嬌声が響き渡った

「やっ、あぁ!」

堪えきれずたくましい腕にしがみついた、その直後

頭の中が真っ白になり、ちひろは瞬く間に登りつめた

「嘘だろ…」

掠れた声がして目をあけると、周が呆気にとられたような顔で見つめている

「なんでそんなに感じやすいの?」

普段は真面目で大人しいちひろが、セックスになるとこれほど大胆に乱れる理由が周には良くわからない

「水上さんに触れられると、わたしはおかしくなるんです」

まるで悪事を咎められたか子どものように、瞳に涙を浮かべた彼女が答えると

「ほんとに?他の男ではならない?」

「なりません」

周は焼けつくような疼きを覚え、手早く自分の衣服を取り去った


つづく↓