2008年5月は、1か月で13本もライヴを見ていました。
5/1 「春の宴」@マンダラ2
出演:母檸檬、仮想のタケオ、Lu.la.vie
5/4 Sheila E. & Friends @ブルーノート東京
5/5夕方〜夜 はいさいFESTA 音楽祭 @クラブチッタ
以上3本は「アーカイヴス その75〜76」に記してあります。
また、他の2本は身内的なネタですので割愛します。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
5/6 Meshell Ndegeocello @Billboard Live Tokyo
前回は当時の大好きだった新譜からの曲が全くなかったうえ、彼女はベースを弾くのみで歌も全くナシという構成にガッカリしたものだったけれど、今回は歌ものが中心。
でも新譜の曲こそ何曲かやったものの、やはり基本的には自分のやりたいようにやるかのような強引さも相変わらず。それでもさすがに達者なサポート・ミュージシャンをバックにしたスリルある演奏で、聴き応えは充分にあった。
彼女のヴォーカルもちょっとシャーデーを思わせるようなところがあって面白い。
彼女以外にももう一人ベース奏者がいたので、ツイン・ベースという変則ユニットだったが、こういうビルボードみたいなところよりも、ピット・インあたりの方が似合いそうなサウンドだったように思う。
5/8 知名定男と大城美佐子 @パルコ劇場
何と渋谷のおシャレな劇場で行なわれたため、当然会場内での飲食は厳禁。やっぱり泡盛でも飲みながらくつろいで見たかったな。
大城はもう70歳を過ぎており、沖縄のテレビ出演を見ている友人の話では随分衰えてしまったとの話だったので、過度の期待はしないように臨んだ。
確かにおハコの「白雲節」や「片想い」は以前よりも更に高音のパートが苦しそうに感じられたけれど、心配していたほどでもなく、三線を持ち歌う姿には風格があるし、終盤は踊りや太鼓にも大活躍で、まだまだ元気なことに一安心。
むしろ知名の方が今一冴えが無かったように思われたが、まぁこの人の場合、大御所と共演すると、いつも相手を必要以上に立ててしまうところがあるから、今回もそうしたものだったのかも?
5/11 Chris Hillman & Herb Pedersen @Back In Town
ブルーグラス、カントリー、フォーク、ロックといった、幅広い分野で活躍してきた彼らの総集編ともいうべき、とても聴き応えのあるライヴだった。
1回分しかチケットを買わなかったことを心底後悔したくらい。
クリスは主にマンドリン、ハーブはギター、ただし彼のバンジョーも聞きたいというファンが多かったからか、急遽楽器を手配して数曲演奏するシーンもあった。
何せ名手アール・スクラッグスの代役を果たしたこともあるくらいの腕利きバンジョー奏者であるのだし、ふだんこのユニットのツアーで弾かないのだとしたら本当に勿体無い話だ。
"Bury Me Beneath The Willow""The Story Of Love""Together Again""Turn Turn Turn""Tried So Hard""Goodtime Charlie Got The Blues""It Doesn't Matter"など、クリスはオリジナルに拘らずにこれまで在籍したバンドからの曲もカヴァー曲もトラッドも満遍なく選曲し、日替わりメニューもあったらしい。60歳を過ぎた今も伸びのある素晴らしい歌声を聞かせてくれた。多くのミュージシャンのバックを務めたハーブのサポートぶりも終始見事。
そしてクライマックスでのハーブの名曲"Wait A Minute"は涙モノだった。彼の歌ももっと聴きたかった。
アンコールの"Eight Miles High"でのサイケなアコースティック・ヴァージョンも凄かったな。マンドリン奏者としてのクリスのセンスが光っていた。
5/14 Sonny Rollins @東京国際フォーラム ホールA
あれ?前回日本で見られるのは最後というふれ込みだったのでは?なんて言うのはヤボというもの。この生きる伝説をまた見ることが出来たことを素直に喜びたい。
前回は引き際の美学みたいな形で自分の勇姿をファンの目に焼き付けようとしていたかのように見えたけれど、今回はまるで這いつくばってでも演奏してやるぜとでも言っているような気骨を感じた。
ステージに登場するときはヨレヨレの足取りだし、腰の曲がったような前かがみの演奏スタイルだけど、それでも広いステージを前後左右に動き回りながら、ここぞという時にはステージ最前まで歩み出てソロを取る。凄い迫力だった。
前半の緊張感が、おなじみの"St. Thomas"あたりからラスト近くでは途切れたようにも感じられたけれど、疲れもあったかもしれないし、あるいはリラックスしていただけかもしれない。
いつまでも元気で演奏活動を続けてほしいと心から願う。
5/17 Angela Johnson @Cotton Club
数年前に見た横浜でのライヴが素晴らしかったので、今回も期待していた。ただ新作がシンガーとしての彼女はほとんど出番のない多くのゲストとのコラボレーション作品だったので、どんなライヴになるのかも気がかりだった。
結局新作からの曲もアンジェラ自身で歌うものの、それが中心となることはなく、過去2作からの曲も多かった。
どこまでも熱く歌うアンジェラと、少し抑え目でクールに掛け合うバックヴォーカルのタマー・カリ(後で調べたら、この人もソロでアルバムを出しており、そこでは大味ながらもかなり迫力ある歌を聞かせているようだ)のコンビネーションが面白かったが、バックのミュージシャン、特にベース奏者に何度も長いソロを取らせるのは、こうした短い入替え制のショーには余計な演出だったように思う。それはシンガーであると同時にキーボード奏者でもある彼女のメンバーに対する気配りでもあったのかもしれないけれど。
それでも彼女の歌を堪能することは出来たので、僕としてはまぁ満足といったところかな。
終演後のサイン会での彼女はとても気さくで、一人ひとりに丁寧に応対し、第二部の客入れを待たせているスタッフを慌てさせていた。
僕の今のMySpaceのトップ画像はその時撮ってもらった彼女とのツーショットです。
5/27 石川セリ @Billboard Live Tokyo
特別ファンというわけではなかったが、10年くらい前に武満徹の作品を歌っていた頃は良い意味での大人の歌手然とした佇まいに好感を持っていたので、友人Y氏から「見ないか?」と誘われたときには二つ返事でOKした。
会場のビルボードは、この日ばかりは博品館劇場にいるかのような雰囲気の客層で、入口には多くの贈花が飾られていた。
各シーンで活躍する精鋭メンバーを集めたバンドの演奏は、適度にオルタネイティヴで、しっかりグルーヴもあったし、即席とは思えないほど良かった。
特に、途中主役がお色直し中に歌も披露したキーボードのエミ・エレオノーラは、本人のバンドDEMI SEMI QUAVERのライヴも見てみたいと思ったほどだった。
だけど、肝心の主役は、奇抜な衣装で驚かせてくれたものの、「ダンスはうまく踊れない」どころか歌も満足に歌えない状態で、声は出ないし、短いショータイムなのに無駄話が多く、なかなか歌に入らない。結局彼女自身が歌ったのは8曲くらいだったか? 長年のブランクや闘病生活(これについては後から某マイミクさんに教えていただいたのだが)を考慮しても、到底納得いくものではなかった。
アンコールの「Moonlight Surfer」では作者の中村治雄ことパンタが花束を持って現れコーラスで参加したり、娘の依布サラサ(若い頃の陽水にそっくり!)が数曲サポートで加わったりしたが、最後まで盛り上がらなかったし、そのやる気の無さには見ていて不愉快だった。Y氏の希望で最前列で見ていたんだけどね![]()
その数日後に同所で見たThe Manhattansとは雲泥の差だった。
5/29 Geoff Muldaur @Thumb's Up
素晴らしいブルース・シンガーであり、今もその歌声には艶があって衰えがなく、ギターもシンプルで味があり、ブラインド・ウィリー・ジョンスンやミシシッピ・ジョン・ハート、スリーピー・ジョン・エスティスといった人たちの古典的なブルースを中心に歌うライヴ。
悪かろうはずはないのだけれど、例えばクラプトンが10数年前に「ブルースの夕べ」と題して行なったコンサートの時のような堅苦しさを若干ながらも感じてしまった。
これで僕ら客がもっとリラックスしていれば、きっとジェフもその空気に呼応して遊び心を見せてくれたりするのだろうけれど、演奏が終わるごとに大きな拍手こそあれ、MCでの反応もほとんどなかったことで、かなり淡々とした進行に終始していたように思う。
前座を務めたムーニーらがバックに加わった"Fishing Blues"も盛り上がらず、結局この日はやはりそうしたクラシックスよりも彼の仲間であるボビー・チャールズの作品2曲が一番心に染みた。
5/31 The Manhattans @ビルボード・ライブ東京
正直言って、以前と変わり無い選曲だろうし、悪くはないだろうけれど、新鮮さはないので、特別感動することもないだろうな....なんてナメてかかっていたのですが、やはり間近で見る彼らのパフォーマンスは、今回も威厳と風格に満ち溢れたもので、サーヴィス精神もたっぷり。あの曲も聴きたかった、この曲も.....なんていう不満も感じさせないものでした。
オープニングこそ今は亡きMcFadden & Whiteheadのヒット曲"Ain't No Stoppin Us Now"で意表をついてきたけれど、後はもう彼ら自身の名曲がこれでもかと続き、ブルーのクールな語りと魅惑の低音に、ジェラルドの熱唱という、70年代から続く様式美の世界。
そしてひたすらラヴ・ソングばかりが歌われる(とブルーも言っていた)のですが、暴言を覚悟で言えば、ここに新しいものなんて全く必要ないのです。
ジェラルドの声がちょっと荒れ意味だったのは気になったものの、まるで本人も最近念願のカヴァー集を出したSam Cookeのライヴ盤を思わせる迫力があったし、前回は杖をついて歩いていたブルーもすっかり回復したようで、他のメンバー同様の振り付けをこなしていたのが嬉しかったなぁ。
また会場の女性ファンたちにしっかりアイ・コンタクト送り続ける各メンバーのショーマン・シップもさすが。
勿論今回もジェラルドがソロで歌う"A Change Is Gonna Come"は深みのある節回しと迫力がたまりません。
そして最後は例によってお約束の"Shining Star"と"Kiss And Say Goodbye"。この2曲があるからこそ彼らも遥か日本までやって来ることができるわけで、ここはただひたすらその不滅の名曲に酔うしかないでしょう。
アンコールの"Georgia On My Mind"も前回と同じだったけれど、ここまで客を楽しませてくれる完成されたショーに、不満はありません。
今回も存分に彼らの歌に浸ることができました。
どれだけ見ている人を幸せにしてくれるか....ということかな?
2008年06月01日&10日 記
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
こうして毎回アーカイヴスと称して古い日記を省みると、我ながら呆れるくらいに色々なライヴに行っていたものだと感心してしまいますが、勿論当時でも上には上が居て、年間200本以上も観ていた人も知人の中には居たりしますので、私めなんかはまだまだ序の口程度だったと思います。ちなみにその人は1日で青山のブルーノートと六本木のビルボードライブをハシゴするような人でした。今も外タレ系のライヴへ行くごとにお会いしていますので、おそらくペースは変わっていないかもしれません^^;